美食の県、福岡県。
国内の旅行先としても人気が高く、人口も全国9位です。
九州の中で際立って栄えているイメージがありますが、福岡県の相続事情はどうなっているのでしょうか。
データでみる福岡県の相続
福岡国税局の発表によると、福岡県で平成30年度に相続税申告のあった被相続人の人数は3,150人です（*1）。
もちろん単純な人口差も大きいですが、佐賀県が410人、長崎県が568人、熊本県が948人、大分県が617人、宮崎県が516人、鹿児島県が736人ですから、圧倒的な数字です（*2,3,4,5）。
このことから、福岡県は相続の発生件数も比較的多いと予想されます。
*1 国税庁 相続税の申告事績（福岡県）PDF
*2 国税庁 相続税の申告事績（熊本県）PDF
*3 国税庁 相続税の申告事績（大分県）PDF
*4 国税庁 相続税の申告事績（宮崎県）PDF
*5 国税庁 相続税の申告事績（鹿児島県）PDF
福岡県は中流家庭の相続が多い？
さらに、相続税の課税割合に注目してみます。
課税割合とは、全ての死亡者数のうち、相続税が課税された被相続人の人数の割合です。
相続税は被相続人の遺産総額が3,600万円以上でないと課税されないため、この割合が高いと被相続人の平均的な遺産総額が高めであり、低い場合はその反対であると予想できます。
福岡県の課税割合は5.9％でした。
九州の中でみればトップの数字ですが、東京都は13.6％ですから、全国的に見れば、特段高くも低くもありません（*6）。
つまり、福岡県の場合、富裕層でも低所得層でもなく、一般的な中流家庭で遺産相続が発生していると考えられるのです。
福岡県は相続トラブルが発生しやすい？
さらに福岡県では、遺産相続がトラブルに発展しやすい可能性もあります。
福岡県には、福岡高等裁判所があります。
全国で8つある高等裁判所の1つで、九州全域はもちろん、沖縄県も管轄している大きな裁判所です。
そんな福岡高等裁判所の令和元年度の遺産分割事件総数は1,597件でした（*7）。
そのうち、592件は福岡県で起こっていて、約4割近くを占めています。
前述の通り被相続人の数も多い分、相続を巡った事件も多発しやすいと考えられます。
では、どのように相続問題がもつれていってしまうのでしょうか。
福岡県の土地価格事情
一般的に相続問題がこじれやすいのは、土地をめぐるトラブルです。
土地は相続人間で分けにくく、またその価値も地域や周辺環境、査定時期によって大きく異なるという不安定さがある一方で、価額としてはかなり高額になるうえ、物理的な分割が難しいこともあり、話が複雑になります。
それでは、福岡県の地価はどのくらいになっているのでしょうか。
高額なのは福岡市中央区や博多区
やはり最も高額な場所は福岡市です。
特に福岡市の中央区や博多区では、非常に地価が高くなっています。
福岡市中央区の約160円/㎡、博多区は約87万円です（*8）。
ここは福岡の中心エリアであり、福岡市中央区の天神や中州エリアは東京にも引けをとらない繁華街です。観光客も多く、人が多く集まるのが特徴です。
また、福岡市以外に、北九州市などの地価も比較的高いです。
たとえば、小倉北区には高級住宅街があるようで、平均地価は約16万円/㎡と、福岡市の一部地域を上回っています。
福岡県の地価は上昇傾向
さらに特筆すべきは、2020年基準地価の全国ランキングで、福岡県の地価の変動率が約1.2％増と、全国2番目の高さであることです（前掲*8）。
これでもコロナの影響を受けて、歯止めがかかったほうです。
特に福岡市は10年近く連続の上昇になっていて、都心部の再開発促進事業が進んでいることから、都心部はもちろん、駅から少し離れた地域も上昇傾向にあります。
相続税は被相続人の遺産総額が3600万円を超えるときに発生します。
高額な土地を持っている人には必然的に富裕層が多く、相続税が課税される可能性が高いでしょう。
福岡県の弁護士は多い！
このように、福岡県では特に福岡市内に土地を持っている場合などに相続問題が起こる可能性が高いです。
相続問題が起こってしまったら弁護士に対応を依頼する必要がありますが、福岡県の弁護士事情はどのようになっているのでしょうか。
福岡県には、2019年3月31日現在で1,314人の弁護士と630ヶ所の法律事務所があります（*9）。
弁護士数でいうと、東京都・大阪府・神奈川県・愛知県に次いで全国5番目の多さです。
比較的多くの弁護士がいるので、福岡県では比較的自由に弁護士を選ぶことができます。
しかしながら、同じ弁護士と言ってもいろいろな専門分野があり、遺産問題は、その分野に強い弁護士に相談する必要があります。
弁護士の人数が多い分、選択肢も多く、すぐに決めかねるかもしれません。
当サイトでは、相続に強い福岡県の弁護士を厳選してご紹介しています。
ぜひ弁護士探しのご参考にしてください。