滋賀県の特徴
滋賀県は、近畿地方の東部に位置する内陸県で、周囲を伊吹山地、鈴鹿山脈、比良山地、比叡山地に囲まれた盆地となっています。
しかし、日本最大の湖・琵琶湖が県全体の面積の約1/6を占めるため、寒暖差は厳しくなく、比較的過ごしやすい県です。
西日本の中では屈指の工業が発達している県であり、一事業所当たりの製造品出荷額は全国4位となったこともあります。
世界遺産である比叡山延暦寺や、国宝の金剛輪寺、日吉大社など、数々の歴史的遺産を抱える県でもあります。
滋賀県の地価事情
多くの相続で争点となるのは、不動産です。不動産は、現金等と違って相続人間で公平に分割するのが難しいため、地価が高くても低くても争いの種になりやすいのです。
また、相続人が上京していたり遠方に住んでいたりすると、滋賀県内にある不動産を相続することを嫌がる可能性もあります。
そこで、ここでは、滋賀県の地価について少し見てみましょう。
以下は、全国と滋賀県の2022年・2023年の対前年平均変動率を比較した表です。
住宅地 | 商業地 | 全用途 | ||||
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2022年 | 2023年 | 2022年 | 2023年 | 2022年 | 2023年 | |
滋賀県 | -0.9 | -0.4 | 0.0 | 0.6 | -0.5 | 0.0 |
全国 | 0.1 | 0.7 | 0.5 | 1.5 | 0.3 | 1.0 |
【出典】「令和5年地価調査における滋賀県の地価の概要について」
全国の全用途の対前年平均変動率は、コロナ禍が明けたことから、2022年から2年連続で上昇し、住宅地では、0.1%から0.7%に上昇しています。
滋賀県では、全用途の対前年平均変動率が、2009年から2022年まで14年連続して下降していましたが、2023年に入り、上昇に転じました。
滋賀県の住宅地
滋賀県の住宅地は、下落幅は縮小しているものの、2023年に入ってもまだ下降傾向が継続し、15年連続の下落が続いています。
しかし、大津市はマイナスからプラスに転じ、草津市、守山市、栗東市、野洲市は、上昇幅が拡大することで、いわゆる南部地域の住宅地では、すべてプラスになりました。さらに、近江八幡市では、マイナスから横ばいになっています。
一方で、その他の地域で、特に人口が減少している地域や利便性の低い地域、開発から期間の経過した住宅団地などでは下落が継続しており、下落幅が拡大している地点もあります。
地価が低い地域では、需要が見込めず、積極的に相続したい相続人がおらず、売りたくても買い手が見つからないおそれがあり、地価の高い地域では、土地だけでなく家などの建物の価値も高く、遺産の価額全体も上がるため、相続税が高額になり、今度は相続争いの火種になる可能性もあります。
滋賀県の相続事情
滋賀県で令和3年度に発生した相続は、13,674件で、令和3年の司法統計年報によれば、大津家庭裁判所が扱った遺産分割事件は、94件です。
一方で、令和3年度に全国で発生した相続は、1,439,856件で、全家庭裁判所で扱った遺産分割事件は、12,981件です。このデータによれば、滋賀県では、相続はそれほど争いにはなっていないようです。
しかし、令和3年の全家庭裁判所の認容・調停成立件数の総数は6,857件のうち「遺産価額が1,000万円以下」の事件が2,296件で、全体の3割を超えています。さらに、「5,000万円以下」まで範囲を広げると、76%にものぼります。
つまり、相続トラブルは決してお金持ちの家庭だけの問題ではないのです。
【出典】 令和3年司法統計年報「第52表 遺産分割事件のうち認容・調停成立件数(「分割をしない」を除く) 遺産の内容別遺産の価額別 全家庭裁判所」
滋賀県の弁護士事情
滋賀弁護士会に登録する弁護士は165名です(2021年11月現在)。
全国で最も弁護士の多い東京都では、2万名を超える弁護士が活動しています。人口比で比較すると、滋賀県の人口1万人あたりの弁護士数は約1.2人で、東京都は人口1万人あたり約15.6人です。
東京都に弁護士が集中しているというのもありますが、それにしても、その差は歴然です。
大津市 | 84 |
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彦根市 | 27 |
草津市 | 25 |
東近江市 | 3 |
近江八幡市 | 5 |
長浜市 | 5 |
甲賀市 | 3 |
守山市 | 5 |
高島市 | 3 |
栗東市 | 2 |
野洲市 | 2 |
犬上郡甲良町 | 1 |
合計 | 165 |
【出典】「滋賀弁護士会弁護士紹介」|滋賀弁護士会
さらに、上表から滋賀県では、約半数の弁護士が大津市に集中していおり、彦根市に16%、草津市に15%と、この3市で8割以上の弁護士が活動していることが分かります。
したがって、滋賀県でこの3市以外にお住まいの方が相続問題お困りの場合には、弁護士に相談しようにも、「近所で良い弁護士の先生を見つけることができない」という事態が発生するかもしれません。
しかし、中々見つからないからといって、素人の方が相続問題を放置してしまうのはとても危険です。
近隣の市町村までエリアを拡大して弁護士を探すことをおすすめします。
生前対策や遺産分割の問題は弁護士に相談を
不動産を所有している方はもちろんのこと、そうでない方であっても、相続対策は必須です。近年は遺言書の重要度が増しており、元気なうちから相続問題に備えるという傾向も強まってきています。
しかし、遺言書はその方式が民法で厳格に決められており、これを守らないと、いざ相続が発生した際に、内容に納得のいかない相続人から無効を主張されてしまう可能性があります。さらに、素人の方が自力で遺言書を用意した場合、曖昧な文言になってしまうこともあり、大変危険です。
生前対策については、ぜひ法律のプロである弁護士に相談してみましょう。
また、相続人同士で遺産分割が争いになっている場合や、争いになりそうという場合にも、親族間にしこりを残さない解決に導くために、相続に強い弁護士に依頼するのが得策です。
第三者を介することで、冷静な話し合いができます。
滋賀県の裁判所
最後に、滋賀県の裁判所の所在地は以下の通りです。
大津地方裁判所 | 滋賀県大津市京町3-1-2 |
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大津家庭裁判所 | |
大津簡易裁判所 | |
大津地方裁判所彦根支部 | 滋賀県彦根市駅東町1-13 |
大津家庭裁判所彦根支部 | |
彦根簡易裁判所 | |
大津地方裁判所長浜支部 | 滋賀県長浜市南呉服町6-22 |
大津家庭裁判所長浜支部 | |
長浜簡易裁判所 | |
大津家庭裁判所高島出張所 | 滋賀県高島市今津町住吉1-3-8 |
高島簡易裁判所 | |
甲賀簡易裁判所 | 滋賀県甲賀市水口町水口5675-1 |
東近江簡易裁判所 | 滋賀県東近江市八日市緑町8-16 |