未登記不動産が急増中!登記しないとダメ?登記の必要性とリスクとは

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不動産未登記

高齢化が進み、日本は今後「多死社会」を迎えると予想されています。死亡者数が増えれば相続も増え、連動して相続トラブルも増加するでしょう。

そういった未来が近づくにつれ、不動産の未登記が問題となってきています。現状でも多くの不動産が相続登記をされないまま残っており、登記簿上の名義人は既に他界しているケースが散見されます。不動産を取得したり処分したりしたくても、登記簿上の名義人が何十年も前に死亡しており、相続登記がないため相続人も特定できず、円滑な取引が出来ないトラブルが発生しています。
こういった傾向は地方で特に多く見られますが、顕在化したのは多くの死者や行方不明者を出した東日本大震災です。

この記事では、不動産登記の必要性や、未登記の場合のリスクを紹介します。余計なリスクやトラブルを防ぐためにも、不動産登記の必要性を認識してください。

1.不動産登記とは

人間に戸籍があるように、不動産にも戸籍に相当するものがあります。それが「不動産登記」です。
不動産の所有者や所在地、種類、面積、構造、設定された権利等を「登記簿」に記載して公開することで、不動産売買や不動産を担保にする取引等における安全性を確保するのが不動産登記の目的です。

このシステムがなければ、誰がどの不動産を所有しているかわからなくなります。悪意を持った者が書類を偽造して所有していない不動産を所有しているように見せかけ、他人に売却することが理論上可能になります。しかし、不動産登記があれば、公開されている登記簿を確認することで誰がどの不動産を実際に所有しているのか簡単に判明します。

逆に言えば不動産登記を行うことで、その不動産が自分の所有物だと主張することが可能になります。個人個人が自分の財産を守るためにも、不動産登記は必要な制度なのです。

2.不動産の登記は義務?

不動産の登記には、「表題部」の登記と「権利部」の登記の2種類があります。
表題部」とは、その不動産の物理的な状況を記載する部分です。不動産の所在地や地目、地積などがこれにあたります。
権利部」とは、その不動産に設定された権利が記載されます。所有権や抵当権などが記されます。

建物の表題部登記は、その建物の所有権を取得してから1ヶ月以内に行わなければなりません。これを怠ると10万円以下の過料が発生します。
表題部登記は行政が固定資産税や都市計画税を徴収するために必要なので、これを免れた者には罰則が適用されるのです。

一方、権利部の登記は義務ではなく、行わなくても罰則はありません。権利部の登記は個人の判断に委ねられています。これは法律的な抜け穴ではなく、法務省も「登記を行うかを権利者の意思に委ねる制度は民法制定以来定着している」と述べています。

3.不動産登記をしないとどうなる?

権利部の登記は義務ではありませんが、行わないことで以下のようなデメリットが派生します。

3-1.不動産の権利を主張できない。

例えばAさんが、故意または過失でBさんとCさんの2人が同じ不動産を売ったとします。この場合、その不動産がBさんとCさんどちらの所有物なのかを決めるのは契約の時期や代金の支払いの有無でありません。誰が先に登記を行ったかで決定されるのです。

注意すべきは、権利を主張できないのは「第三者に対して」です。契約の当事者である売主のAさんと買主のBさんやCさんの間では、登記が行われていなくても所有権が移転しており、登記がなくても所有権を主張できます。BさんがCさんに、またはCさんがBさんに権利を主張するには登記が必要になります。

3-2.不動産を担保にした融資を受けられない

融資を受ける際に、不動産を担保にする場合があります。いわゆる「家を抵当に入れてお金を借りる」のがこれにあたります。

しかし、登記簿上の所有者でなければ不動産の売却が難しいのが現状です。売却自体は可能かもしれませんが、外見上は「登記簿上に何の権利もない人が不動産を売ろうとしている」形になり、非常に胡散臭い状態になります
また、担保権の実行をスムーズにするため、金融機関からお金を借りる場合には担保不動産の登記簿上の所有者である必要があります。

3-3.所有者が特定できない

登記簿で所有者を確認できないと、その不動産を取得するために誰と交渉していいかわからない場合があります。
例えば、所有者が死亡したのに相続登記が行われていない場合は、相続人の誰と話をしていいのかわかりません。下手をすると相続人全員の居所を突き止めて交渉する羽目になりかねません。

所有者がわからないと、公共事業の用地取得にも悪影響が出てきます。行政側が不動産の持ち主を知る手がかりは基本的には登記簿です。登記簿上の所有者がいなかったり死亡したりしている場合は、行政による土地買収や賃借が難航します。結果として都市計画や地方の開発計画に遅延を生じ、社会的なロスとなってしまいます。

自分の利益を守るため、通常は不動産を取得したら登記を行います。また、不動産を取得する場合には、その不動産に関する登記簿を事前に確認するのが一般的です。
なお、「登記をしていなければ固定資産税が発生しない」と思っている人が少数ながらいるようです。実際には登記に関係なく課税が行われるので、脱税目的で意図的に登記をしないのは全くの的外れと言えます。

4.不動産登記で得られるメリット

不動産登記で得られるメリットはデメリットの裏返しです。

4-1.所有権を主張できる。

所有権を登記しておけば、誰に対してでも「この不動産の持ち主は自分だ」と主張できます。不当に所有権を主張する者を排除できるので、自分の財産を守ることが可能です。

4-2.取引を円滑に行える

登記をして所有者を明らかにしておけば、不動産の売買や貸借を円滑に行なえます。不動産を担保にして融資を受ける際もスムーズです。

4-3.相続時のトラブルを防げる

相続の際に速やかに相続登記を行えば、無用な相続トラブルがなくなります。逆に、相続登記を怠ると、せっかく分割した遺産を他の相続人に横取りされたり売り払われたりします。
また、未登記不動産を相続した場合、その不動産を登記する必要が出てきます。この時の登記費用を誰が支払うかで相続人同士のトラブルが起こる可能性があります。相続前に未登記の状態を解決しておけば、こういった事態を防ぐことができます。

5.登記の流れ

不動産未登記2

不動産登記の全体的な流れは以下のようになります。

1.法務局に書類を提出
2.法務局で書類等の審査
3.登記簿に記載され、登記事項証明書や登記識別情報通知等を受け取る

申込者にとってもっともハードルが高いのは、1で集める書類です。
その他のプロセスは法務局側が行います。書類に不備があると連絡があり、補正を求められます。

多くの場合、以下のような書類が必要になります。

・所有者の住民票
・工事の請負契約書または検査済証
・工事完了引渡証明証
・建築確認通知書
・建築代金の領収書等

この他、場合によっては固定資産評価証明書や電気ガス水道等の公共料金の領収書が必要です。建物が借地上にある場合や、建物自体を賃貸している場合は賃貸契約書も要ります。
契約書の名義人と登記を行う人が違う場合にはさらに書類が増えるため、さらに手間暇がかかります。
法務局で相談してもいいのですが、書類を集めたり相談したりする時間と手間を考えたら専門家に任せるのもいいでしょう。

6.未登記不動産の登記にかかる費用

未登記不動産の登記を行う場合には、「表題部」と「権利部」の両方を登記しなればならない場合があります。
「不動産登記」というと一般的には権利部の登記を指すことが多いですが、未登記不動産の中には表題部登記すら行っていない不動産も存在するからです。

6-1.表題部登記

表題部登記は、自分で表題部登記を行えば書類集めにかかる費用や交通費のみで済みます。
専門家に依頼した場合、表題部登記の報酬額は安くても約7万円からで、通常は15万円程度が相場となります。必要な資料が揃っている/いない、あるいは、土地測量のあり/なしに応じて報酬額が大きく変動することもあります。
表題部登記の際には、不動産の構造や種類、床面積などを詳細にしなければなりませんので、土地家屋調査士が現地するのが一般的です。

6-2.権利部登記

権利部の登記をする場合、未登記不動産のケースでは基本的に「所有権保存登記」を行うことになります。
所有権保存登記を行うには、固定資産評価額×0.4%の登録免許税が必要です。評価額1000万円の不動産を保存登記する場合には4万円が必要となります。ちなみに、この「0.4%」の割合は相続登記における登録免許税と同じ税率です。
また、専門家(司法書士)に所有権保存登記を依頼する場合の報酬額の相場は2万円ほどとされています。

なお、表題部登記は土地家屋調査士の、権利部登記は司法書士の職域になります。相談先を間違えて無駄を発生させないように気をつけてください。

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