兄弟姉妹に遺留分がない理由

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兄弟姉妹は、被相続人の遺贈及び贈与に対し遺留分減殺請求をすることはできません。それは、民法1028条が「兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として左の額を受ける。」と規定し、兄弟姉妹には遺留分がないからです。

では、なぜ兄弟姉妹には遺留分が認められていないのでしょうか?今回は、その理由について解説し、兄弟姉妹に遺産を渡す方法や渡さない方法について検討します。

遺留分制度の趣旨

遺留分とは、民法が相続人に取得させることを保障した被相続人の遺産に対する一定の割合のことをいいます。遺留分制度の趣旨としては、被相続人の遺産の自由処分権とこれに対する相続人の相続発生後の生活の保障の見地からの制限との調整にあるとされています。

すなわち、確かに、遺産というのは生前、被相続人の所有に属していたものであり、それをどのように処分するかについては被相続人の財産権の行使の自由に属する事項です。ところが被相続人が死亡した場合、高齢の残存配偶者の生計を支えるのは被相続人の遺産となり、また直系卑属(典型的には「子」)はまだ独自に生計を立てるに至っていない場合もあります。

このような場合に、被相続人の当該自由に完全に委ねてしまうと、残存相続人の生活に支障が生じる場合があります。そこで、民法は、被相続人の遺産の自由処分権を相続人の相続発生後の生活の保障の見地から制限することにより、遺留分制度を設けたのです

兄弟姉妹と遺留分制度の趣旨

上記の遺留分制度の趣旨からすると、兄弟姉妹は、被相続人と通常は世代的に同じくらいで、被相続人が遺産を残せるほどの社会的活動ができる年齢に達しているのであれば兄弟姉妹も同様の年齢に達しており、被相続人の直系卑属や直系尊属に比べて、相続発生後の生活の保障を考える必要はないといえそうです

また被相続人と世代的に同列にある兄弟姉妹は、独自に生計を営んでいるのが通常であり、被相続人の妻のように(現代の状況からすると必ずしもそうであるとは言い切れないことは認めますが、)その生計を被相続人に依存していることはないことから、相続人の配偶者と比べても相続発生後の生活の保障を考える必要はないといえそうです。

また、被相続人と生計が別であることが通常であることからすると、相続人配偶者や子のような直系卑属と比べて被相続人の遺産の増加に対する加功も少ないといえるので、兄弟姉妹に対し遺留分の保障を与える必要はないといえます。

このように遺留分制度の趣旨から考察しても被相続人の兄弟姉妹に対し遺留分を保障する必要性はあるとまではいえないのです。したがって、民法上、兄弟姉妹には遺留分は認められておりません。

沿革

昭和23年の戦後民法の制定当時から、兄弟姉妹は遺留分権者から一貫して除かれれています。

参考:昭和23年当時の民法1028条1項

兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、左の額を受ける。

一  直系卑属のみが相続人であるとき、又は直系卑属及び配偶者が相続人であるときは、被相続人の財産の二分の一

二  その他の場合には、被相続人の財産の三分の一

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