銀行の預貯金を相続するには|必要書類や手続きの期限は?

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ginkou souzoku

故人の遺産整理を行う上で、銀行にある預貯金をどうするか、頭を悩ませている相続人の方は多くいらっしゃいます。

銀行口座の預貯金を相続するには、何から手をつければよいのでしょうか。

本記事では、被相続人の銀行口座を相続する手続きの順序やその期限、必要書類などについて解説します。

1.銀行の相続手続き4ステップ

銀行の口座を相続する手続きは、以下の通りです。

  • ①被相続人が亡くなったことを銀行に連絡する(手続き申し込み)
  • ②必要書類を用意する(どんな書類が必要かは後述)
  • ③必要書類を銀行に提出する
  • ④払い戻しの手続きが行われる

このように、基本的に預貯金の相続手続きは、故人の口座を解約・払い戻し⇒預貯金を指定口座に移す、という処理が一般的です。

また、複数の金融機関に口座がある場合は、金融機関ごとに手続きを行うことが必要になります。

以下では、主に①②の内容についてご説明します。

2.銀行口座は凍結される?|手続きの期限

被相続人の死亡で口座は基本的に凍結される

銀行に被相続人の死亡を連絡した時点で、銀行は口座を基本的に凍結します。

このとき預貯金の額は関係ないので、たとえ預けられているお金が少額であっても、口座名義人が亡くなったらその口座は凍結されてしまいます。

ただし、民法改正により、被相続人の口座からも一定額までは引き出せるようになりました(民法909条の2)。
詳細は以下の記事に譲ります。

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銀行の預貯金の相続手続きに期限はないが…

被相続人が亡くなってからいつまでに相続手続きを行わなければならないのか、期限が気になる方も多いのではないでしょうか。

原則、銀行の相続に期限はありません。
銀行側から被相続人が亡くなったかどうか確認をとってくることはありませんし、被相続人の口座をずっと放置していても、罰則を受けることはありません。

ただし、10年間以上使用していない口座は休眠口座に入ります。
休眠口座に入っても、後から相続手続きを行えば預貯金を引き出すことはできますが、お金は一時的に預金保険機構に移管され、民間公益活動のために活用されます。

さらに、現在一部の銀行では口座維持手数料を導入しています。基本的には、「○○年以降に作った口座限定」という扱いではありますが、口座を持っているだけで費用が発生してしまうこともあります。

今後、コロナショックの影響で口座維持手数料を導入する銀行も増えていくといわれていますから、不要な口座は一刻も早く解約したほうがよいでしょう。

他の遺産と同じタイミングで相続手続きしよう

また、銀行の相続手続きに必要な書類(4.で後述)の中に相続人の印鑑証明書がありますが、多くの金融機関で、「発行してから3ヶ月以内のみ有効」等の期限を設けています。

したがって、その他の遺産の相続手続きと一緒に、銀行口座の相続も行ってしまったほうが楽なのです。

面倒でも、早めに銀行に連絡することをおすすめします。

3.手続しないと他の相続人が使い込んでしまうことも

とはいえ、「書類くらい再発行すればいいし、期限がないなら後回しでいいか…。」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
被相続人が細かく口座を分けていたり、相続人ご自身がご多忙だったりと、手続きをすぐに行うことが困難なこともあるでしょう。

しかし、面倒だからといって被相続人の口座を放置したために、一部の相続人が勝手に預貯金を引き出して使い込むケースが多く発生しています。

不当な使い込みを取り戻すためには、一般的に、その使用を不法行為として訴えたり、不当利得返還請求をしたりする必要があり、時間も労力も、訴訟費用までかかってしまいます。
何より、親族間でトラブルになるのは避けたいですよね。

金融機関が相続手続き代行サービス等を設けていることもありますし、弁護士に依頼すれば書類の収集から手続きに至るまで、全てやってくれますから、是非早めの行動をとることをおすすめします。

4.銀行口座の相続で提出する必要書類

さて、銀行に被相続人が亡くなったことを知らせて、口座を凍結してもらったら、いよいよ必要書類の収集です。

ここでの必要書類は、遺言書があるかないか、また遺言書がない場合には遺産分割協議書があるかないかで異なってきます。

以下の必要書類以外にも、凍結口座の通帳・キャッシュカードの他、銀行から渡される書類もあり、相続人全員の署名押印が必要になるのが一般的です(銀行ごとに異なるので、確認してください)。

4-1.相続手続きの必要書類|遺言書がある場合

  • 遺言書
  • 自筆証書遺言の場合は、検認調書または検認済証明書
  • 被相続人の戸籍謄本または全部事項証明書(死亡が確認できるもの)
  • 預金を相続する人の印鑑証明書(遺言執行者がいる場合は執行者の印鑑証明書)
  • 遺言執行者の選任審判書謄本(裁判所で遺言執行者が選任されている場合のみ)

4-2.相続手続きの必要書類|遺言書がない場合

遺産分割協議書がある場合

  • 遺産分割協議書(法定相続人全員の署名押印があるもの)
  • 被相続人の除籍謄本、戸籍謄本または全部事項証明書(出生から死亡までの連続したもの)
  • 相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書
  • 相続人全員の印鑑証明書

遺言書も遺産分割協議書もない場合

  • 被相続人の除籍謄本、戸籍謄本または全部事項証明書(出生から死亡までの連続したもの)
  • 相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書
  • 相続人全員の印鑑証明書

なお、先述の通り、印鑑証明書などは発行してから3ヶ月以内のものに限る、など期限が設けられていることが多いです。
期限は金融機関によって異なるので、是非調べてみましょう。

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4-3.その他

代理人が手続きを行う場合

相続権を持たない親族や弁護士・司法書士などの専門家に銀行の相続続きを代理してもらう場合には、委任状が必要です。
各金融機関で委任状に書く内容が決められていたり、フォーマットがホームページに掲載されていたりします。

預貯金が少額の場合

前述の通り、口座にある預貯金が少額であっても、銀行は被相続人の死亡を知った時点で口座を凍結します。

ただし、少額(100万円以下など)のときには、相続人全員ではなく代表相続人の書類のみで相続できる場合があるなど、簡易的な特別措置がとられていることがあります。
金融機関によって基準や必要書類も変わってくるので、手続きをしに行く前にホームページなどを確認しましょう。

5.残高証明書の発行

最後に、残高証明書の発行について説明を加えておきます。

残高証明書とは、被相続人の口座にある預貯金の残高を証明する書類です。
遺産分割協議のときや、被相続人の財産総額が基礎控除額を超える場合の相続税申告のときに使うことがあります。

もちろん、通帳などで被相続人の預貯金残高が分かるのであればよいのですが、近頃は通帳が発行されない口座も多いので、残高証明書を発行するほうがより安心でしょう。

注意点

残高証明書を発行する際、いつの残高を証明するのか聞かれた際には、「相続発生日」と答えましょう。
また、申請してから残高証明書を発行してもらうまでは数週間かかることもあるので、手続きは余裕を持って行いましょう。

必要書類

  • 残高証明書発行依頼書(金融機関でもらえます)
  • 口座名義人が亡くなったことが確認できる書類※
  • 依頼人が相続人であることが確認できる書類※
  • 依頼人の印鑑証明書
  • 実印
  • (口座名義人の通帳やキャッシュカード)

なお、一通400~1,000円程度の手数料がかかります。

※必ずしも除籍謄本や戸籍謄本でなくとも、法定相続情報一覧図の写しでよいとする金融機関もあります。
法定相続情報証明制度について詳しくはこちら

6.まとめ

本記事でご説明したように、銀行口座を相続するには、銀行に連絡して口座を凍結させた後、必要書類を提出し、適切な手続きをとらなくてはなりません。

民法改正後、凍結しても一定額までは引き出せるようになりましたが、その他の遺産相続の手続きと同じタイミングで預貯金も相続してしまったほうが、後々、ずっと楽になります。

とはいえ、口座が細かく分けられていたり、相続人の方がなかなか手続きする時間をとれなかったりと、銀行の相続は意外と骨が折れるものです。

そんなときには、思い切って弁護士に一任してしまうのもおすすめです。
まずはご相談だけでもされてみてはいかがでしょうか。

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