秋田県の相続の状況
秋田県の特徴
秋田県は、東北地方の北西部、日本海側に位置し、県庁所在地は秋田市です。
秋田県の人口は2017年4月時点で999,636人と100万人を割っており、2017年まで5年連続で人口減少率が全国ワースト1位になっています。
また、2016年時点で県全体の人口に占める65歳以上の高齢者の割合が約35%と、全国第1位となっています。
農業が盛んで、「あきたこまち」に代表する様に、米の生産量は全国3位です。
豊かな自然と伝統的な行事が観光客に人気で、十和田八幡平国立公園や男鹿半島のなまはげ、東北三大祭の竿燈まつりなど、四季折々の魅力にあふれています。

また、日本犬の一種で国の天然記念物に指定されている「秋田犬」は、「忠犬ハチ公」のモデルになった様に主人に忠実で温厚な性格をしており、フィギュアスケートのアリーナ・ザギトワ選手(ロシア)が熱望した末に秋田犬保存会から進呈されるなど、近年世界的に人気の犬種となっています。
秋田県の裁判所
秋田県の裁判所としては、秋田地方・家庭裁判所のほか、支部として秋田地方・家庭裁判所能代支部、秋田地方・家庭裁判所本荘支部、秋田地方・家庭裁判所大館支部、秋田地方・家庭裁判所横手支部、秋田地方・家庭裁判所大曲支部などがあります。
秋田県の相続税の課税割合
次に、相続税の課税割合を見てみましょう。
平成27年、秋田県の相続税の課税割合は2.2%で、全国平均の8.0%を大きく下回っています。翌平成28年は、秋田県は2.4%、全国平均は8.1%です。
課税割合が全国的に高い関東圏では、平成27年から28年にかけて0.1%増加しているもしくは0.1%減少している県が多い中、全国平均を下回っているとはいえ秋田県は、0.2%増加しています。
また、秋田県は2017年に持家比率が全国2位、一戸建住宅比率は1位、持家住宅の畳数は全国1位など、相続においては不動産が占める割合が大きいので、こういった事情により相続が身近になってきていると言えるでしょう。
もし相続に関してトラブルが発生した場合は、上記の裁判所に遺産相続調停の申し立てや訴訟を起こすことになります。
地価と富裕層
秋田県の地価と富裕層の状況
次に、秋田県の地価と富裕層の状況を見てみましょう。
前述のように、相続においては不動産が占める割合が大きいため、地価の変動が相続にも大きな影響を与えます。
秋田県で最も地価が高いのは、県庁所在地でもある秋田市です。
秋田県は全国の公示地価は、平成30年は47位、前年からの上昇率も47位と、47都道府県の中で両ランキングともに最下位となっています。
しかし、秋田市の中で最も地価が高い中通は、秋田新幹線の起点でもあるJR秋田駅前に位置し、西武秋田店や秋田県立美術館なども近く、平成30年の地価は前年比+0.00%と現状を維持しています。
ほかにも、中通、保戸野、大町、泉、千秋公園、手形などの一部で富裕層が多く住んでいるエリアが確認されています。
大仙市、由利本荘市、湯沢市、大館市の地価
市町村別に見ると、秋田市に次いで地価が高いのは、大仙市、由利本荘市、湯沢市、大館市という順位になっています。
地価は全国的にみて低く富裕層も多くはありませんが、持家など不動産を持っている割合は多いので、相続はどの家庭にも起こり得る問題と考えて、対策を取っておいた方がよいでしょう。
誰に相続するという問題の他にも、相続税を節税するなどの対策も必要になってくると思われます。特に不動産が相続の大部分を占める場合、いざ相続税を支払おうとした場合、現金が不足してしまうという事態に陥るケースも増えています。
秋田県の弁護士事情
秋田県弁護士会
それでは、秋田県の弁護士事情はどうなっているのでしょうか。
秋田県には、秋田県弁護士会があり、秋田県内に事務所のあるすべての弁護士が加入しています。その会員数は、平成30年4月現在で77名となっています。
他の都道府県に比べて弁護士の数は少なく、弁護士のいない市町村もあります。
近くに弁護士がいない場合は、秋田県弁護士会では電話やWEBでの相談も受け付けています。
また、秋田県生活センター、秋田市市民相談センター、羽後町無料法律相談など、市町村の窓口でも、秋田県弁護士会から相談担当として弁護士が派遣されていますので、そういった窓口でも相続問題をはじめとした法律の相談をすることができます。
法テラス秋田
秋田県には他にも、「法テラス秋田」があります。法テラスとは、法的トラブルに関する相談窓口を国が一本化したことによって誕生した機関です。法律相談や犯罪被害相談、法律の情報提供の他に、弁護士の紹介や弁護費用の立替なども行っています。各都道府県に法テラスの事務所があり、秋田県は秋田市に法テラス秋田法律事務所、鹿角市に法テラス鹿角法律事務所があります。
相続問題は、家族という親しい間柄だからこそこじれると解決が難しくなったり時間がかかったりするケースが多くなります。
確かに秋田県全体では、課税割合や地価から見ると相続トラブルは少ないかもしれませんが、相続はその人ごと、家庭ごと、状況は千差万別です。よって、自分の状況に合った弁護士を、いくつかの相談窓口等を使って探してみるのが有効でしょう。