山梨県の相続事情
山梨県の相続は、どのようになっているのでしょうか。
山梨県の概要
山梨県は、海洋国家である日本の中では珍しく内陸部に位置し、日本列島のほぼ中心にあります。
北東部を秩父山地、西部を南アルプス、南部を富士山、北部を八ヶ岳と、四方を標高2,000m級の山に囲まれており、県の面積の約80%を山岳地が占めています。
人口は、平成29年10月現在で823,580人となっており、ゆるやかな減少傾向にあります。関東・甲信地方の中では、最も少ない人口で、全国でも42位となっています。山梨県内で最も人口の多い市町村は、県庁所在地でもある甲府市になります。
山岳地帯であるため果樹農業がさかんで、ぶどう、もも、すももの生産量は全国一位となっています。それに伴い、ワインの生産量も全国一位です。
また、ミネラルウォーターの生産量も全国一位となっており、これは全国の出荷量の約3割を占める主要産業となっています。
観光としては富士山や富士五湖周辺が県内では最も人気がありましたが、平成25年に、「富士山—信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産に登録されると、更にその人気は加速しています。
また、戦国時代に甲斐の国を治め、「風林火山」で知られる武田信玄を祭った武田神社や、「落ち穂拾い」などの作品で有名なフランスの画家・ミレーの作品を多く所蔵する山梨県立美術館を有する芸術の森公園など、歴史や文化に関する観光地が人気です。

山梨県の裁判所
このような山梨県には、甲府地方裁判所・家庭裁判所、甲府地方裁判所・家庭裁判所都留支部があります。
山梨県は、甲府市を中心とする国中地方と、富士北麓の東部富士五湖地方に地理的に分けられます。よって、裁判所もこの地理的な区分にあわせて設置されていると思われます。
山梨県の相続税の課税割合
山梨県の相続税の課税割合は、平成27年は6.4%、平成28年は6.8%に増加しています。全国平均は8.0〜8.1%ですので、平均よりだいぶ下回っています。
しかし、0.4%以上の伸びを示しているのは全国では10県で、関東・甲信地方では山梨県と茨城県のみとなっています。よって、相続争いは発生しにくいものの、徐々に増加傾向にあり、相続問題が身近になってきていると言えるでしょう。
相続争いなど、問題が話し合いで解決できなくなってしまった場合は、前述の裁判所に調停や裁判を申し立てることになります。
山梨県の地価と富裕層
次に、山梨県の地価と富裕層の状況を見てみましょう。
山梨県で最も地価が高いのは、県庁所在地でもある甲府市です。
甲府市内でも、甲府駅前の丸の内1丁目、2丁目、甲府駅北の北口が高くなっていますが、このエリアは県や市の施設や史跡、商業施設が多くを占めています。住宅街としては、地価はそれほど高くありませんが、甲府駅北西部の山宮町に古くからの優良住宅地が見られます。甲府市は車社会であるため、地価が高い駅前の他に、郊外にも優良住宅地が形成されているものと思われます。
また市町村別で見ると、甲府市より上野原市、大月市の方が平均地価は高くなります。
上野原市は、山梨県の東に位置し、東京都西多摩群と神奈川県相模原市に隣接しています。
八王子市への通勤率は10.77%で、JR中央本線の駅に近い程、地価が上がるという傾向があります。
上野原市上野原字中新町の地価は、甲府市丸の内3丁目とほとんど変わりません。
大月市は、上野原市の西側に位置します。上野原市と同様、JR中央本線の駅に近い大月1丁目が、市内では地価が最も高くなります。
全体的に地価は高くはありませんが、前述の様に相続税の課税割合は上がっています。そのため、相続は富裕層にだけ起こる問題ではないと認識し、注意しておくことをお勧めします。
山梨県の弁護士事情
それでは、山梨県の弁護士事情はどうなっているのでしょうか。
山梨県には、甲府市に山梨県弁護士会があり、会員数は平成30年6月現在122名となっています。
弁護士の人数分布としては、甲府市に177名、北杜市に1名、都留市に2名、富士吉田市に2名と、甲府市に大部分が集中しています。
確かに、甲府市と都留市は車でも1時間程で行くことが可能ですが、山梨県弁護士会はより窓口を広げるため、大月市の東部法律相談センターでは週一日、富士吉田市の富士五湖法律相談センターでは水曜日を除く月曜日から金曜日の週四日間、法律相談を行っています。
また、韮崎市、南アルプス市、北杜市、甲斐市、笛吹市、上野原市、身延町、昭和町、忍野村、中央市で、現在定期的に無料の法律相談を行っています。
このように、山梨県弁護士会では、県民の法的トラブルに関して手厚く対応窓口を設けていますし、県内の移動時間もそれほど多くかかりませんので、弁護士を探すのは比較的容易であると考えられます。
しかし、弁護士にも得意分野があります。
山梨県弁護士会のホームページでは、所属弁護士の所在地やプロフィールとともに、取扱業務や、その中でも重点を置いている事項などを紹介しています。
こういった情報や、無料相談などを利用して、自分の相続の状況に合った弁護士を選ぶことをおすすめします。
相続問題は、こじれてしまうと解決までに時間と労力がかかってしまいます。また、親しい間柄であるからこそ早期に解決して、その後の長いお付き合いも、スムーズにしたいものです。
解決への最適な方法として、なるべく早い段階で、相続問題に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。