1.三重県の相続の状況
三重県の相続はどのようになっているのでしょうか。
三重県は、紀伊半島の東に位置しており、人口は約180万人で(2017年10月現在)、全国で22番目に人口の多い都道府県です。
南北に細長い形をしており、北西部には鈴鹿山脈などの山々が連なり、西部には伊勢湾、南部は太平洋と接している、海と山、両方の恵まれた自然の恩恵を受け、農業も漁業も盛んな地です。 「伊勢」の名前がついた伊勢エビなどは、三重県を代表する名産品ですね。畜産業にも力を入れており、松坂牛は日本三大和牛の一つとなっています。
また、伊勢神宮、鈴鹿サーキット、なばなの里、鳥羽水族館など多くの観光スポットがあり、毎年大勢の人々が訪れ賑わいを見せています。
このような三重県には、津地方・家庭裁判所、津地方・家庭裁判所松阪支部、津地方・家庭裁判所伊賀支部、津地方・家庭裁判所四日市支部、津地方・家庭裁判所伊勢支部、津地方・家庭裁判所熊野支部などの裁判所があります。
三重県の平成27年の課税割合は7.05%で全国第15位であり、全国平均の7.99%は僅かに下回っているものの、ランキング的には上位の方であり、相続争いが発生する可能性が他の都道府県よりも高いと言えるかもしれません。
また、前年の平成26年の課税割合は3.23%であったため、平成27年の大規模な税制改正の影響もあってか、1年間で約3.8%も増加しており、三重県でも相続争いの件数が増加するのは避けられないでしょう。
相続は、もはや富裕層だけに降りかかる問題ではなくなっていて、どのような層の家庭にとっても身近な問題となったのです。 万一遺産相続がおこり、それが争いにまで発展してしまった場合は、上記の裁判所に遺産相続調停の申し立てをすることになります。
2.地価と富裕層
次に、三重県の地価と富裕層の状況を見てみましょう。 三重県で最も地価の高い市町村は、四日市市です。 県庁所在地である津市ではないのか、と思われる方もいるかもしれませんが、三重県で一番人口が多いのが四日市市なのです。
四日市市は、中京工業地帯の工業都市の一つであり、多くの工場が立ち並び、そこで大勢の人々が働いています。 そのため、四日市市に居を構える人が多く、地価が高いのです。 そのうえ、四日市市は、名古屋市のベッドタウンとしての側面も持ち合わせています。
このような理由から、四日市市は三重県で一番地価の高い市町村となっています。 しかし、富裕層が住んでいる高級住宅街と言えるほどの地域は特に無く、全般的に地価が高いのが特徴です。
一方、富裕層が多く住んでいると言われているのが、県庁所在地である津市です。 県庁からほど近くて環境が良く、三重大学付属小学校・中学校がある観音寺町などは、子供のいる世帯の富裕層に人気がある住宅街です。
また、津駅の西側に位置する長岡町も、公園などがあり、緑豊かな街並みが広がっており、富裕層が多く住んでいると言われています。
その他の市町村では、伊勢市も住宅地として人気です。 伊勢神宮があり、海と山に囲まれた自然豊かな景観の美しい地は、やはり地価が高めとなっています。
そして、近年、地価が上昇してきているのが朝日町です。 朝日町は愛知県へのアクセスが良く、名古屋市のベッドタウンとして発展しており、「町」ではあるものの地価が高いというわけです。
上記で紹介した市や町に一軒家を所有している場合、相続税が発生する可能性は高くなると考えられます。 しかし、それ以外の市町村に住んでいるからといって、相続は他人事だと思っていては危険です。 相続が発生すれば、僅かな遺産でも争いは起こってしまうものだからです。
富裕層の方はもちろん、どのような家庭でも、相続問題は身近なものであると理解し、注意しておきましょう。
3.三重県の弁護士事情
それでは、三重県の弁護士事情はどのようになっているのでしょうか。
三重県には三重弁護士会があり、その会員数は190名となっています。(2017年4月1日現在)
また、四日市市に支部があります。 三重弁護士会の本部がある津市や、支部のある四日市市に住んでいる場合、弁護士探しに苦労することはほとんどないかと思われますし、相続問題に強い弁護士も多くいることでしょう。
しかし、それ以外の市町村にお住まいの場合は、自宅近くに弁護士が全くいないということも有り得ます。 そのような場合、近隣の市町村までエリアを拡大して探した方が良いでしょう。
特に、県庁所在地である津市や、人口の多い四日市市であれば、相続問題を得意とし、専門としている弁護士が見つかる可能性が非常に高くなります。距離的に遠くなってしまってでも、津市、四日市市の両市まで足を伸ばして探した方が、相続問題の早期解決に繋がります。
津市の高級住宅街や四日市市、伊勢市や朝日町などの地価の高いエリアに一軒家を所有しているなど、相続問題に少しでも不安がある場合には、一度相続問題に強い弁護士を探して相談してみることをお勧めします。