草津、伊香保、四万など、温泉で有名な群馬県。
同じ「北関東」として、何かと栃木県や茨城県と比較される傾向にありますが、相続については、何か群馬県特有の事情はあるのでしょうか。
今回は、群馬県の相続問題について解説します。
群馬県は一件あたりの相続の相続税が低め?
報道資料によると、平成30年度に群馬県で相続税の課税対象になった被相続人の人数は「1,792人」です(*1)。
この数は、北関東の中でも栃木県よりは多く茨城県よりは少ないという感じで、中くらいといえます。
一方、納付税総額で比較してみると、茨城県が約2630万円、栃木県でさえ約1604万円なのに対して、群馬県は約1547万円です。
そこまで大きな差ではありませんが、北関東で最も低い金額になっています。
相続税発生件数としては栃木県よりも多いはずなのに、納付税総額が少ないということは、一件あたりの相続税が比較的低いと予想されます。
実は、遺産額が低いほど相続争いは発生しやすい
相続税が低めということは、同時に、「群馬県の被相続人の遺産額も低め」である可能性があります。
しかし、「高額な相続税がかからないなら大丈夫か」と考えるのは早計です。
遺産額が低いほど相続の争いも発生しやすいと考えられるためです。
令和元年の司法統計によると、全国の家庭裁判所の「遺産分割事件のうち認容・調停成立件数(「分割をしない」を除く) 」は、7,224件で、そのうち2,448件が遺産価額1,000万円以下の相続です(*2)。
さらに5,000万円以下も含めると、合わせて5,545件。全体の約77%を占めていることがわかります。
このように、遺産額が少ないほど争いも起きやすいのです。
「相続税がかからない、あるいは少額ならそんなに揉めないかな」ではなく、被相続人の遺産価額のほうに目を向けて、早いうちから備える必要があります。
以下からは、群馬県の相続事情をより具体的に見ていきましょう。
全体的に地価が下落している群馬県
まず相続で揉めやすいのは、不動産(土地や家屋)についてです。
群馬県の地価は平成5年以降、全体的に下落傾向にあるようです(*3)。
その中でも、地域差が大きくなっています。
地価が高い地域
群馬県で最も地価が高いのは、「高崎市」で、坪単価平均では約26万円/坪となっています(*4)。
高崎駅は上越新幹線や北陸新幹線の停車駅ですし、JR高崎線をはじめとする多くの路線が通っているため、北関東最大のターミナル駅といわれています。
また、周辺に高崎経済大学など大学もあるので、通勤・通学には便利な駅といえます。
高崎市の地価が比較的高額になっているのは、こういったアクセスのよさが要因と考えられます。
高崎市に次いで平均地価が高いのは、約21万円/坪の「草津町」、約18万円/坪の「前橋市」です。
草津町は言わずとしれた日本を代表する温泉街ですし、前橋市は群馬県の県庁所在地ですから、他の地域と比べても栄えているといえます。
こういった需要のある地域では、もしも遺産を売却するとなったときに買い手も見つかりやすいかもしれませんが、他方で高い相続税がかかることも留意しなければなりません。
さらに、草津町などの相続では、単なる不動産だけではなく、旅館や店舗の経営権も遺産に含まれる可能性があります。
非常に話がこじれやすいため、被相続人が自営業をしている場合は特に注意が必要です。
*4 土地代データ 群馬県
地価の安い地域
一方、群馬県には、坪単価平均が1万円台(/坪)の地域もあります。
地価が安くなっているのは、都市郊外・農村部です。
平均地価1位の高崎市と比べると、その差は歴然です。
群馬県の郊外では人口減少に拍車がかかっているため、年々需要が低下してしまっているようです。
需要がない地域の不動産が相続財産に含まれていると、「売りたくても売る相手が見つからず、かといって自分が住むには遠い」といって相続人間で押し付け合いになってしまうケースは珍しくありません。
かといって、不動産をずっと放置しておくわけにもいきませんし、所有するだけでお金がかかってしまいます。トラブルが予想される場合は予め対策を練っておかなければなりません。
富裕層が多い地域
不動産の地価と同じように相続で重要になるのが、被相続人の所得です。
それでは、群馬県内の所得状況から、富裕層の多い地域を探してみましょう。
群馬県内で平均所得額の高い地域は、高崎市が「約330万円」で最も高額となり、次いで前橋市の「約321万円」です(*5)。
高崎市は前橋市のベッドタウンとして機能にプラスして、高崎市内での産業も活発です。
そのため、前橋市よりも所得や地価が高額になっています。
もちろん、この2つの地域は、群馬県内でも1位2位の地価の高額な地域でもあるので、富裕層が集まりやすい地域なのは頷けます。
また、所得が多い地域で注目したいのが嬬恋村です。嬬恋村は温泉やスキー場などのレジャー産業や、キャベツといった高原野菜などの農産業が盛んな地域です。
草津町とも近いことから、観光地としても人気を集め、県内3位の所得額「約300万円」を誇っています。
ただ、地価がそこまで高額ではありませんので、意外と富裕層が多いとは思われにくい地域なのです。
群馬県には、都市部である高崎市や前橋市以外にも、嬬恋村のように高額な所得を手にしている地域がいくつかあります。
さらに、このような地域では、相続によって事業を継承するケースが多くなっています。
通常の相続トラブルよりも複雑化する可能性がありますので、弁護士への相談の必要性は高いといえるでしょう。
群馬県の弁護士事情
2019年3月31日時点のデータによると、群馬県内の弁護士数は「293名」、事業所数は「173ヶ所」です(*6)。
北関東の中ではどちらも最も多いです。
その中でも、将来きたるべき相続に向けてきちんと備えるためには、あるいは相続トラブルが発生した後は、「相続に強い弁護士」を見つける必要があります。
相続に強い弁護士であれば、これまでの実績に裏付けされたスキルで、遺言書作成を行ってくれたり、遺産分割協議に発展した場合に心強い自分だけの味方になってくれたりします。
特に、代々事業を継承している場合は、複雑な相続トラブルを招きやすいことがあります。
いざというときのためにも、遺産分割協議の前には信頼できる相続に強い弁護士を見つけておき、すぐに依頼できるようにしておきましょう。
県内の相続問題なら群馬県の弁護士へ
相続に強い弁護士を探す際、まず群馬県民の方の選択肢としては「群馬県の弁護士に依頼するか」「県外の弁護士に依頼するか」があります。
関東で最も弁護士が多く集まっているのは東京都で、日本の約半数近くの弁護士がいます。
さらに、人口が多く、遺産相続事件に関しても、他県とは比べものにならないほど担当しているでしょう。
つまり、日本の中でも実績や経験数が多い弁護士が、東京の弁護士と考えられます。
東京都に在籍する弁護士で群馬県にも対応地域を拡大させている先生は少なくありません。
しかし、だからといって東京都の弁護士に依頼するべきかと言うと、必ずしもそうはいえません。
群馬県の相続トラブルで最も警戒したいのが、事業承継を含む相続です。
特に、旅館など歴史の長い事業の場合、継承する際には相続人に対する周りの評判なども、評価基準に含まれることがあります。
そのため、細かな情報を集めやすい群馬県内の弁護士が最適だといえます。
また、通常の相続トラブルでも、地価や所得状況など地域によって相続状況が変わる群馬県は、他の地域の弁護士では適切に対応しきれない可能性があります。
親族間で協議が複雑になってくると、何度も対面しなければならない場合もありますし、できるだけ弁護士に近くにいてもらったほうが後々便利なこともあります。
ですので、地域の事情に精通した群馬県内で活躍する弁護士へ依頼するのが最もおすすめです。
当サイトでは、「群馬県の、相続に強い弁護士」を厳選してご紹介しています。
ぜひご自身の理想に合う先生を見つけてみてください。