沖縄県の相続はどのようになっているのでしょうか。
沖縄県は、日本の南西部に位置しており、人口は約144万6千人で(2017年12月現在)、全国で25番目に人口の多い都道府県です。
ほぼ全域が日本では珍しい亜熱帯気候であり、降り注ぐ太陽の日差しや、一年を通して温暖な気候に恵まれています。 その暖かな気候を活かした果物の栽培が盛んであり、とくにパイナップル、マンゴー、シークワーサー、ドラゴンフルーツ、グァバなどは全国第一位の収穫量を誇ります。
美しい海、珍しい動植物、豊かな森林に囲まれた沖縄県は、観光地として大変人気があり、毎年のように大勢の観光客が訪れ賑わっています。 その中でも首里城、美ら海水族館、国際通り、古宇利島、万座毛などは特に人気の観光スポットですね。
このような沖縄県には、那覇地方・家庭裁判所、那覇地方・家庭裁判所沖縄支部、那覇地方・家庭裁判所名護支部、那覇地方・家庭裁判所平良支部、那覇地方・家庭裁判所石垣支部などの裁判所があります。
沖縄県の平成27年の課税割合は5.62%で全国第28位と平均より低い順位であり、また、課税割合の全国平均値である7.99%を下回っているため、どちらかというと相続争いも発生しにくい都道府県であると言えるでしょう。
しかし、前年の平成26年の課税割合は3.39%だったため、沖縄県でも平成27年の大規模な税制改正の煽りを受けてか、一年間で2.23%も増加しており、相続は富裕層などのいわゆる「お金持ち」だけのものではなくなってきました。他人事から身近な問題へと変化し、どの家庭にも相続、そしてそれにまつわる争いは起こりうる時代になったのです。
このように、沖縄県では、相続争いの件数は少ないながらも、これから確実に増加していくことでしょう。 万が一相続争いに発展してしまった場合は、上記の裁判所に遺産相続調停の申し立てをすることになります。
1.地価と富裕層
次に、沖縄県の地価と富裕層の状況を見てみましょう。
沖縄県で最も地価が高いのは、県庁所在地である那覇市です。 那覇市のなかでも、近年開発が著しく進んでいる那覇新都心付近は、ゆいレールを主とした交通の便が良く、ショッピングセンターなどの商業施設も多数進出しており、生活に便利な街として裕福な家庭に人気がある地域です。
中でも、おもろまちは、県立博物館や新都心公園があり、とくに環境が良く、富裕層が多く住んでいるエリアとして知られています。
那覇市の他には、浦添市の地価が高めとなっています。 その理由として浦添市は、那覇市と隣接しており、那覇市のベッドタウンとしても機能しているためと考えられます。 栄えている那覇市へのアクセスがよく、スーパー、公園、病院などがありながらも自然の多い浦添市は、子供のいる世帯に大変人気があり、あえて浦添市に居を構える富裕層の人々も多いといいます。 そのため、もし、那覇市や浦添市に一軒家を所有していた場合、相続税が発生する可能性が高いと考えられます。
それ以外の市町村にお住まいの方は、そこまで相続に関する心配をする必要はないかと思いますが、用心しておくに越したことはありません。 たとえ僅かな遺産でも争いが起こってしまうのが「遺産相続」なのです。
沖縄県は、その気候のようにあたたかく、おおらかでのんびりした人々が多いのが魅力ですが、そのような性格が、相続問題に関しては裏目に出てしまうかもしれません。 自分には関係ないだろう、争いなど起こるわけがないだろう、という気持ちでいると、いざ相続争いが起こってしまった場合、対処が難しくなります。 相続は、富裕層だけではなく、どのような層の家庭であっても注意しておかなければならない問題であると捉えておきましょう。
2.沖縄県の弁護士事情
それでは、沖縄県の弁護士事情はどうなっているのでしょうか。 沖縄県には沖縄弁護士会があり、その会員数は272名となっています(2017年3月31日現在)。 また、法律相談センター那覇、法律相談センター沖縄支部、法律相談センター名護支部の3箇所を設置しています。
このように、沖縄弁護士会は、各地に相談所を設けており、弁護士探しに苦労することがないようにフォローしています。 しかし、自宅近くに弁護士が全く見つからないという方も少なくありません。 そのような場合は、近隣の市町村までエリアを拡大して探してみたほうが良いでしょう。
特に、県庁所在地であり、人口が多く最も栄えている那覇市まで足を伸ばせば、相続問題に強い良い弁護士が見つかる可能性が格段に高くなります。 家からの距離が遠くなってしまっても、結果的には相続問題の早期解決へと結びつくはずです。 地価の高い那覇市や浦添市に一軒家を所有しているなど、相続問題が心配な場合は、お早めに弁護士を探して相談してみることをお勧めします。