徳島県は、四国地方の東部に位置し、人口は平成30年8月現在で737,226人です。四国地方の県の中で3番目の人口であり、2000年(平成12年)頃から緩やかな減少傾向にあります。
徳島県と言えば、阿波踊りがすぐ連想されますが、「阿波」とは、徳島県北部を「粟国(あわのくに)」、後に明治初期頃まで徳島県全域を「阿波国(あわのくに)」と呼んでいたことに起因し、阿波踊りの歴史も約400年と言われています。
阿波踊りの様な伝統文化の他にも、淡路島との間の鳴門海峡の渦潮や、三好市の祖谷渓、吉野川などの自然も、徳島県の観光の魅力です。 高知県と徳島県を流れる吉野川の最長川幅は、荒川に次いで全国2位となっています。 吉野川の北岸地域や河口付近では、野菜の生産が広く行われています。
中でも、すだちは全国シェア100%近くを占めていますし、にんじんの春夏出荷量は、全国の約30%を徳島県が占めています。
また、吉野川の良質の砂畑で穫れる「なると金時」は、県を代表するブランドさつまいもとなっています。 畜産業や水産業にも力を入れており、「阿波尾鶏」という高級地鶏や、鳴門海峡で育まれたワカメ、「鳴門鯛」など、県の自然環境が多くの特産品をもたらしています。
農産物や名産品は、全国シェアを大きく占める物もありますが、商圏としては近畿地方のつながりが強く、特に京阪神への出荷が多くなっています。
このような徳島県には、徳島市に徳島地方・家庭裁判所、県南部の阿南市に徳島地方・家庭裁判所阿南支部、県西部の美馬市に徳島地方・家庭裁判所美馬支部などがあります。 尚、以前は徳島市の本庁のみだったのですが、平成18年に2か所の支部を開設し、他簡易裁判所と合わせて県民に司法の窓口を開いています。
徳島県の相続税の課税割合は、平成27年は6.5%、翌28年には6.3%に減少しています。 全国平均は7.99%ですし、四国地方はいずれの県もそれを下回っているため、相続争いなどは発生しにくい地域であると推測できます。
しかし、平成27年の徳島県の持ち家比率は全国12位、着工新設持ち家比率は14位と、決して低い方ではありません。しかも人口が少ない中での順位は、県の経済状況は決して悪くはないことを指し示しているでしょう。 よって、相続税の課税割合は低くとも、この先、不動産などを含んだ相続の問題が出てきてもおかしくはありません。
もし相続が発生した時に、相続争いなど当事者間で解決ができないほど問題が悪化してしまった場合には、上記の裁判所に遺産相続調停や裁判の申し立てをすることになります。
徳島県の弁護士事情
それでは、徳島県の弁護士事情はどうなっているのでしょうか。
徳島県には、徳島市に徳島県弁護士会があり、会員数は平成30年4月現在93名となっています。 実は、約20年前までは50名ほどしか会員がいませんでしたが、国の司法改革や地方の弁護士会の努力により、所属会員が増加していきました。
徳島県弁護士会では、徳島市の弁護士会館にて有料の法律相談を、日曜祝日を除き毎日行っています。 徳島市まで行くことが困難な遠方の方には、海部郡と三好郡に法律相談センターを設けている他、市町村や社会福祉協議会でも定期的に相談窓口を開設しています。
しかし、近くに弁護士がいても、それぞれの弁護士によって得意な分野と不慣れな分野があることに気をつけなければなりません。 徳島県弁護士会のホームページでは、弁護士事務所の所在地ごと、また弁護士ごとに取扱業務を紹介していますので、その中から相続問題が得意な弁護士を探すことも可能でしょう。
述べて来た様に、たとえ地方でも富裕層以外の家庭でも、近年相続は大変身近な問題となっています。
親しいからこそ、こじれてしまうと解決までに多くの時間と労力がかかり、調停や裁判になれば、さらに費用もかさんでしまいます。 相続問題は、その分野を得意とする弁護士になるべく早く相談し、自分の状況に合った解決法を見つけることが、有効でしょう。
地価と富裕層
次に、徳島県の地価と富裕層の状況を見てみましょう。
徳島県で最も地価が高いのは、県庁所在地でもある徳島市です。 徳島市内では、徳島駅前のそごう徳島店付近の一番町3丁目が最も高い地価となっていますが、この一帯は住宅よりも商業施設が多くなっています。
富裕層の住む住宅街は、徳島駅北側で徳島城跡周辺のエリアに多く見られます。
徳島城の南東方面の新蔵町、北側の助任川を挟んだ南前川町は、中央公園や徳島公園などがあり生活がしやすく、徳島大学、鳴門大学付属小学校など学校や文化施設も多く、高級住宅地や優良住宅が形成されています。
また、徳島市街地に隣接し、万葉集や近年の小説や映画にも登場する眉山周辺にも、富裕層が住むエリアがあります。 眉山ふもとの城南台(八万町の一部)は、斜面高地を利用した大規模な住宅地になっています。
一方、同じ眉山周辺でも、西南方面のしらさぎ台(上八万町の一部)は、なだらかな丘陵地を利用した、中高層住宅のない閑静な住宅地となっています。
いずれの眉山周辺エリアも、形状は違いますが、高級地や優良住宅が形成されています。 これらのエリアに持ち家があったり、新築しようとしていたりする場合は、いずれ相続税が発生する可能性があるかもしれません。
課税割合から、徳島県は全体的には相続税が発生しにくい土地柄かもしれませんが、近年は比較的少ない金額でも相続争いが起こるケースが多く報告されています。 よって、相続問題は富裕層に関わらず、どのような家庭にも起こりうる問題として注意しておくべきでしょう。