北海道は、年平均気温が6~10℃程度、年平均降水量が700~1,700mm程度と、冷涼低湿で、本州のような梅雨や台風の影響が少ないのが特徴です。
水産業では、帆立貝や、スケトウダラ、ホッケ、サケ、サンマ、コンブは都道府県別1位の生産量で、2020年の海面漁業・養殖業の生産は、120万トンと、全国の生産量の約28.7%です。
2021年には農業主価額が約1.3兆円と全国の約15%を占めており、小麦・小豆・ばれいしょ・たまねぎ・てんさい・生乳などの生産量は、全国トップです。
ラピダスの半導体工場誘致でも話題になった千歳市には、11もの工場団地があり、畜産業も盛んで、鶏卵産出額は道内トップです。
観光業も盛んで、札幌ラーメンや、新鮮な海の幸、ジンギスカンなどに舌鼓を打つ観光客も少なくありません。
そんな北海道の弁護士事情や相続事情を解説します。
北海道の弁護士事情
北海道には以下4つの弁護士会が存在し、2024年9月1日時点で合計1,072名の弁護士が活動しています。
弁護士会 | 弁護士数 |
---|---|
札幌 | 859 |
函館 | 52 |
旭川 | 77 |
釧路 | 84 |
合計 | 1,072 |
【出典】「弁護士会別会員数」|日本弁護士会
札幌弁護士会に所属する弁護士数は、北海道の弁護士の8割を超えるほど多いため、札幌市に居住している方は、相続に強い弁護士を探すにもそれほど苦労することはないでしょう。
札幌市以外に住んでいる場合は?
他方、札幌以外の地域に住んでいる方は、ご自宅近くに弁護士を見つけられない、ということもあり得ます。
近所で相続に強い弁護士を見つけられなければ、札幌まで足を延ばすことをお勧めします。
自宅近くに弁護士がいる場合でも、その弁護士が相続問題に強いとは限らないので、札幌エリアまで対象を広げて弁護士探しをした方が効果的に弁護士を見つけることができます。
当サイトでは相続に強い弁護士を厳選して紹介しています。
ご自分のお住まいの地域からのアクセスや、弁護士の対応地域・料金体系・実績などをみながら、弁護士探しの際のご参考にしてください。
データでみる北海道の遺産分割事件
2023年に北海道で家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割事件は566件と、全国の遺産分割事件13,872件の約4%ほどに相当します。
中でも札幌家庭裁判所は、北海道の遺産分割事件のうち6割以上を扱っています。
札幌市には北海道の県庁所在地もあり、道内では最多の人口を抱える市であることから、遺産分割事件が多く発生するのも頷けます。
そのため、弁護士も札幌弁護士会に集中するのも当然と言えるでしょう。
2023年の遺産分割事件数
事件数 | |
---|---|
札幌家庭裁判所 | 351 |
函館家庭裁判所 | 59 |
旭川家庭裁判所 | 51 |
釧路家庭裁判所 | 105 |
札幌高等裁判所管轄内総数 | 566 |
【出典】「令和5年司法統計年報 3家事編」62頁「第44表 遺産分割事件数」より|裁判所
北海道在住世帯の年収・家計総資産額
2019年の北海道在住全世帯の平均年収は455.3万円で全都道府県で44位、家計資産総額は1,431.6万円で全都道府県で最下位と、決して高額ではありません。
しかし、北海道は土地が広いこともあり、富裕層が点在する可能性があります。
市区町村別年収ランキング全国4位の猿払村
例えば、「猿払村」は平均年収が高額なことで有名です。
猿払村はホタテ漁が盛んで、市区町村別の平均年収が870万円を超えており(*1)、全国4位の金額です。
猿払村は、北海道の村として最大面積を誇るほか、総面積の約8割が山林・原野で手つかずのままになっています。それゆえ、実は、猿払村の地価は坪単価平均が約2.4万円と、数字だけで見るととても土地が安くなっています(*2)。
このように、札幌市のような大都市のほか、地価が低い地域にも、富裕層が多くいる可能性があるのです。
富裕層はそれだけ相続税が発生する可能性も高く、生前の節税対策を考えることが必要になります。
*1 「市区町村別の平均年収 / 平均所得ランキング(2024年発表版)」|ハローワーク求人情報
*2 「猿払村 土地の価格相場」|ウチノカチ
北海道の土地事情
遺産分割の際、相続人間で公平に分割することが難しいため、扱いが難しい遺産が土地です。
高い土地はそれだけ需要があるということで売りやすいかもしれません。しかし、安い土地や使わない農地などではかえって相続人の負担になる可能性があります。
いずれにせよ、取り合い、あるいは押し付け合いになって、親族内でトラブルに発展する可能性が高いのが土地問題です。
それでは、実際に北海道の地価の分布を見てみましょう。
群を抜いて土地が高い札幌市中央区
北海道で地価が高い地域は、そのほとんどが札幌市に集中しており、中でも、中央区、北区、豊平区、西区、白石区などは商業地、住宅地ともに地価が高いエリアで、特に札幌市中央区は群を抜いて高額です。
しかし、札幌市中央区内でも、エリアによって大きな差があります。
このように、北海道全域でみると札幌市中央区が圧倒的に平均地価が高いのですが、中央区の中でも大通駅や札幌駅の周辺は突出しているようです。
札幌駅周辺や大通公園周辺が商業地として栄え、周辺の住宅地や、次にご説明する農村部よりも地価が高騰しやすいことが影響しています。
【参考】「令和6年度北海道地価調査(札幌市関係分)資料」|札幌市まちづくり政策局都市計画部都市計画課
農村部などは地価が低い
一方で、開発の進んでいない農村部などは地価が非常に低くなってしまいます。
アクセスが悪く地価の低い場所に土地が相続財産に含まれていると、相続人は自分で管理をすることも難しく、かといって売り手もおらず、大きな負担となるおそれがあります。
北海道の相続に強い弁護士を探すなら当サイトで
ここまで北海道の相続事情をご紹介してきましたが、相続争いは、決して遺産の多い家庭だけの問題ではなく、遺産の少ない家庭も無縁ではありません。
逆に、遺産が少ないからこそ相続争いになってしまうということもできます。
実際に、裁判所の令和5年の司法統計年報「第52表 遺産分割事件のうち認容・調停成立件数」を見ると、調停が成立した事案・認容審判が出た事案の総数7,234件*のうち、1,000万円以下の事案が2,448件*と全体の33.8%を占め、5,000万円以下の事案を含めると70%を超えてしまうのです。
遺産の多寡にかかわらず、相続が引き金になり親族に対する積年の感情の縺れから、相続争いになってしまうことは珍しくありません。
前述の通り、このサイトは、相続に強い弁護士を選りすぐって掲載しています。円満に相続問題を解決するために、ぜひこのサイトをご活用ください。
*【出典】「令和5年司法統計年報 3家事編」66頁「第52表 遺産分割事件のうち認容・調停成立件数」|裁判所