宮城県は、2011年に東日本大震災で被災してしまいましたが、その後の努力で徐々に回復しつつあります。
宮城県と言えば、東北随一の都市である仙台市がある県です。
仙台市は政令指令都市となっています。
牛タンなども有名で、観光地としても隠れた人気を誇っています。
そんな宮城県の弁護士事情や相続事情はどのようになっているのでしょうか。
宮城県の弁護士事情
最初に宮城県や仙台市の弁護士事情を確認しましょう。
宮城県には、仙台弁護士会があります。その登録会員数は2019年3月31日の時点で457人となっており、全国の主要都市の中ではさほど多くはありません(*5)。
とはいえ、やはり東北地方でみると突出して多いです。
東北で宮城県の次に多いのが福島県の201人ですが、それでも宮城県の弁護士数の半分の人数ですから、いかに宮城県に弁護士が集中しているかわかります。
そうなると、宮城県では弁護士探しに困らないのかと思うかもしれませんが、そうではありません。
仙台市以外の地域の人は弁護士を探すことが難しい
宮城県の弁護士はほとんどが裁判所のある仙台市に集まっているので、仙台市以外の地域の人は、自宅近くで弁護士を探すことが難しくなる可能性があります。
仙台市に住んでいる場合には、弁護士探しに困る、ということはないかもしれませんが、その他の都市に住んでいる方は、仙台まで出てきたほうが弁護士を見つけやすいと考えられます。
遺産相続問題を依頼する場合には、相続に強い弁護士を探す必要があります。
仙台市にはそれなりに弁護士がたくさんいるので、相続に強い弁護士もそれだけ多いと考えるのが自然でしょう。
弁護士を探したいときには、インターネットのホームページをチェックしたり、仙台弁護士会から紹介してもらったりすることもできます。
また、当サイトでは、相続問題に強い弁護士を厳選してご紹介していますので、ぜひ弁護士選びのご参考にしてください。
データでみる宮城県の相続
宮城県の相続件数・課税割合
令和元年度の相続税の申告事績によると、相続税の申告書の提出にかかる被相続人数(平成30年度分)は、1,370人でした。また、課税割合は5.6%でした(*1)。
課税割合とは、全ての被相続人のうち、相続税が課された被相続人の割合のことを指します。相続税は、遺産総額が3,600万円を超えたときにかかります。
上記だけではそれぞれ多いのか少ないのかわかりにくいかもしれませんが、どちらも東北地方では一番多い数字になっています。
たとえば隣接する山形県は634人、課税割合は4.1%です。
もちろん全国的にみると宮城県の数字も決して多いわけではないのですが、東北地方で比較すれば、宮城県は相続税の発生件数も多く、課税割合も大きいといえます。
さらに課税割合が大きいことからは、県内人口に占める富裕層の割合も大きいことがうかがえます。
遺産分割事件数も東北最多
さらに、令和元年度の司法統計によると、宮城県の遺産分割事件数は107件でした(*2)。
宮城県には、東北の裁判所を束ねる仙台高等裁判所がありますが、仙台・福島・山形・盛岡・秋田・青森の6家庭裁判所の合計が363件なので、東北地方で発生する遺産分割事件の約1/3を宮城県の家裁で扱っていることがわかります。
このように、宮城県は東北の中では相続トラブルが起こりやすいといえるでしょう。
それでは、どんなことでトラブルに発展してしまうのでしょうか。
一般的に相続で問題に挙がりやすいのが、「不動産」をめぐる争いです。
宮崎県の不動産問題|地価
令和元年度の仙台国税局の報道発表によると、平成30年度分の相続財産の金額の構成比でも、土地が30.6%、家屋が6.0%で、不動産だけで3分の1以上を占めています(前掲*1)。
家屋についても、結局はどこの土地に建っているかに左右される部分が大きいため、次は宮城県の地価について見てみましょう。
宮城県の地価は上昇傾向
実は、宮城県の地価は県全体として上昇傾向にあります。
令和2年度の地価調査によると、全用途の平均変動率は0.9%と、8年連続で上昇を続けています(*3)。
ずば抜けて高いのは仙台市
そんな中でも、やはりずば抜けて地価が高いのは仙台市です。
仙台市は宮城県だけでなく東北地方全体で見ても、突出して地価が高くなっています。
特に、仙台市青葉区では1平方メートルあたりの平均基準地価が約400万円近いところもあります。
これは全国的に見てもかなりの高水準です。
青葉区以外でも、宮城野区や若林区、太白区なども高額です。
高級住宅地・泉パークタウンのある泉区も同様です。
このあたりに不動産を所有している家庭では、将来相続が起こったときに高い相続税の支払いが必要になったり遺産争いが発生したりする可能性があると考えた方がいいでしょう。
*3 令和2年度 宮城県地価調査の概要 PDF
*4 宮城県 地価調査結果 PDF
地価の低めの不動産が遺産に含まれている場合は?
しかし、揉めるのは地価が高い土地の場合だけではありません。
宮城県内では、1平方メートルあたり1万円を割っている地域も多く、仙台市と比べるとかなり地域差が浮き彫りになっています。
地価の低い土地を持っていると、買い手が見つかりにくいことが予想され、「手放したくても手放せない」「かといって相続もしたくない」という状況になりかねません。
親族間で押し付け合いになってしまうと、結果的に話がどんどんこじれていってしまいます。被相続人が地価が低めの不動産を持っている場合も、要注意です。
被相続人が不動産をお持ちの方は、お早めに弁護士を探すことをお勧めします。