山形県の特徴
山形県の人口は約110万人で、東北6県のなかでは5番目です。西側は日本海に面し、東側には奥羽山脈などの山岳地帯が広がります。
県は庄内地域、最上地域、村山地域、置賜地域の4つにわけられています。
冬の気候はきびしく、県全体が豪雪地帯に指定され、そのうちのほとんどは特別豪雪地帯です。
個性あふれる地域特性を持つ山形県は、実は観光大国です。
山形県公式観光サイト「やまがたへの旅」で、2021年6月のアクセスランキング2位を獲得したのは銀山温泉(山形県尾花沢市銀山)です(*)。銀山川の両岸に並ぶ木造の宿は、「現役の古さ」をつくり出していて風情があります。NHKドラマ「おしん」の撮影地にもなった場所で、雪景色にマッチします。
山形県長井市横町の長井あやめ公園はアクセルランキング7位にランクインしました。6、7月の最盛期には、約500種100万本のあやめが咲き乱れ、圧巻の風景を楽しむことができます。
*「やまがたへの旅」山形県公式観光サイト
山形県の弁護士事情「山形市以外はみつけにくいかも」
山形県弁護士会には2021年6月現在104人の弁護士が所属していて、地区ごとの内訳は以下のとおりです(*)。%は全弁護士(104人)に対する割合です。
各地区に所属する弁護士の人数
山形地区(山形市、山辺町) | 68人 | 65% |
米沢地区(米沢市、長井市、小国町) | 12人 | 12% |
鶴岡地区(鶴岡市) | 10人 | 10% |
酒田地区(酒田市) | 10人 | 10% |
新庄地区(新庄市) | 4人 | 4% |
合計 | 104人 | 100% |
山形県内の弁護士の7割近くが山形地区(山形市、山辺町)に在籍していることがわかります。
山形市の人口は約25万人、山形県の人口は約110万人なので、山形市の人口占有率は23%にすぎません。
山形地区に弁護士が偏在している傾向がくっきり出ています。
相続トラブルでは弁護士の助けが不可欠ですが、山形市以外に住んでいる方は弁護士探しに苦労するかもしれません。
しかもすべての弁護士が相続問題を得意にしているわけではないので、自分の事情に合った弁護士と出会うには時間がかかるでしょう。
そのため、相続問題が顕在化していない今から準備する必要があります。
無料相談の機会を設けている弁護士事務所は多いので、それを利用して相続についての悩みや心配ごとを相談してみてください。
山形県の裁判所
次に、遺産分割調停や審判でお世話になる山形県内の裁判所をご紹介します。
裁判所名 | 所在地 |
---|---|
山形地方裁判所 | 山形県山形市旅篭町2-4-22 |
山形家庭裁判所 | |
山形簡易裁判所 | |
山形地方裁判所新庄支部 | 山形県新庄市住吉町4-27 |
山形家庭裁判所新庄支部 | |
新庄簡易裁判所 | |
山形地方裁判所米沢支部 | 山形県米沢市中央4-9-15 |
山形家庭裁判所米沢支部 | |
米沢簡易裁判所 | |
山形地方裁判所鶴岡支部 | 山形県鶴岡市馬場町5-23 |
山形家庭裁判所鶴岡支部 | |
鶴岡簡易裁判所 | |
山形地方裁判所酒田支部 | 山形県酒田市日吉町1-5-27 |
山形家庭裁判所酒田支部 | |
酒田簡易裁判所 | |
山形家庭裁判所赤湯出張所 | 山形県南陽市赤湯316 |
赤湯簡易裁判所 | |
山形家庭裁判所長井出張所 | 山形県長井市四ツ谷1-7-20 |
長井簡易裁判所 |
山形県の地価
相続問題といえば不動産といわれるほど、相続にまつわるトラブルでは、土地、住宅、ビルなどが「火種」になってしまいます。
ここでは、代表的な不動産である土地の価格について、「山形県地価調査結果」を元に動向を探ってみます(*)。
ここで紹介するデータはすべて2020年度のものです。
※「令和2年度山形県地価調査結果」山形県
住宅地、商業地、工業地の様子
山形県内のすべての土地価格(全用途)の平均は前年比0.8%減で、これで22年連続の下落となりました。
用途別では、住宅地が0.7%減、商業地が1.1%減、工業地が0.3%減と「全滅」で、なかでも商業地の下落が際立っています。
山形県内を市部と町村部にわけて前年比下落率をみると、市部の0.3%減に対し、町村部は1.7%減でした。市部も落ち込んでいるが、町村部の落ち込みはさらに厳しい状態です。
山形市内の地価は例外的に好調
例外的に好調だったのが山形市内の地価でした。
山形市内の住宅地価は前年比2.8%増で、6年連続で前年を上回りました。天童市の住宅地価も前年比0.7%増で、こちらは3年連続増です。
商業地のほうは、山形市、飯豊町、三川町の3市町の地価が前年を上回ったものの、他の市町村はすべて前年を下回りました。
住宅地の上昇率トップ10は山形市が独占
住宅地のうち、前年比の上昇率が大きかった上位10地点はすべて山形市内でした。
トップ3の地点、単価、上昇率、そして上昇理由は次のとおりです。
1位:山形市馬見ケ崎一丁目9番12
- 単価:60,600円/㎡
- 上昇率:+4.5
- 郊外型の商業施設の近くにある住宅地で、利便性の高さから土地需要が底堅い
2位:山形市久保田三丁目7番14
- 単価:73,200円/㎡
- 上昇率:+4.3%
- 市街地西部の区画整理済の土地で生活利便性が高く、道路改良で交通渋滞が緩和されたこともあり選ばれている
3位:山形市小白川町五丁目19番17
- 単価:68,300円/㎡
- 上昇率:+4.1%
- 市街地東部の閑静な住宅地域で、文教施設、河川公園、県庁に近く、高級感がある。土地の供給量が少ないため割高な取引も散見されている
魅力的な土地は高値でも取引されていることがわかります。
商業地上昇率では2位に東根市がランクイン
商業地の前年比上昇率でも山形市が強かったのですが、2位に東根市が入りました。
商業地価上昇率トップ3の地点と単価と上昇率、そして上昇理由は次のとおりです。
1位:山形市本町二丁目58番6(SIS八文字屋)
- 上昇率:+2.1%
- 単価:87,400円/㎡
- 中心商店街背後の商業地域。学習塾など新たな業種が進出し、マンション用地の需要が増え高額取引が広がった
2位:東根市神町北二丁目12番2(カットルームカラー)
- 上昇率:+1.1%
- 単価:47,200円/㎡
- 区画整理された新興商業地域。大型商業施設など商業集積が進み、交流人口が増加したことが上昇の背景
3位、山形市七日町一丁目455番1(アズ七日町)
- 上昇率:+0.9%増
- 単価:214,000円/㎡
- 市の中心商業地域。再開発やマンション建設が重なり、収益物件への需要が堅調
利便性が高い商業地が高値で取引されています。
これらの地点の近くに土地を保有している方は、相続のときに注意しなければならないでしょう。
では、地価が相続にどのような影響を与えるのでしょうか。
分割しにくく現金化しにくいから不動産はもめやすい、だから弁護士が頼りになる
相続人たちが不仲だと、相続財産のなかに土地が含まれていて、しかも地価が安定していないとトラブルの原因になります。
地価が安いと、その土地を相続した相続人は、その他の財産も求めるでしょう。
地価が高いと、その土地を相続しなかった相続人は、その他の財産を獲得したがるでしょう。
土地だけでなく、不動産は全般的に分割しにくいうえに金銭価値の評価が難しく、しかも現金化しにくい性質があるからです。
現金や株式などは価値を数値化(円換算)しやすく、分割も容易なので、相続人が何人いても公正にわけることができますが、土地はそうはいきません。
もし相続で、弁護士の助けが必要になるほど「もめる」可能性があり、相続財産に不動産が含まれていたら慎重に対応するようにしましょう。
相続する財産を持っている人(将来の被相続人)も、相続財産を受け継ぐ人(将来の相続人)も、「将来、もめるかも」と感じたら今から弁護士に相談しても早すぎません。
家族(将来の相続人)の場合、親が存命のうちから弁護士に相談することを不謹慎に感じるかもしれませんが、親が亡くなったときのことを想像してみてください。
悲しみにくれるなか、さまざまな手続きを大量にこなしていかなければなりません。その状況下で冷静に相続の検討をすることができるでしょうか。
将来相続人になる人こそ、将来被相続人になる人が存命のうちに相続の方向性を定めておいたほうがよいのです。
弁護士は、依頼主の利益を最大にすることを考えながら、法律に基づいた正しい相続の仕方を提案します。