香川県は、四国の北東部に位置し、瀬戸内海に面しています。 面積は日本で最も小さく、人口は2018年7月現在で962,772人となっています。2010年に30年ぶりに人口が100万人を下回り、それ以降も少しずつ減少しています。
四国の玄関口であり県庁所在地の高松市に人口が集中していますが、香川県庁や高松市役所のある中心部はもちろん、市郊外のベッドタウンや大規模な企業が集中する臨海工業エリアにもバランス良く人口が集まっています。 これは、災害が少なく、讃岐平野という狭いと言うよりはコンパクトな土地を利用して都市を形成しているためと思われます。
香川県は瀬戸内海式気候で、晴天の日が多く雨量が少ないという気候を利用したレタスやみかん、オリーブなどの栽培が盛んです。
また、県特産のオリーブを飼料に混ぜて育てた「小豆島オリーブ牛」は、ブランド牛として大変人気です。
瀬戸内海に面しているため水産業も盛んで、イワシやシラス、タコなどの漁業の他、ハマチの養殖に全国で初めて成功しました。
また、香川県は「うどん県」としても有名で、うどんやそばの麺類の消費量が2位に圧倒的な差をつけて日本一となっています。2011年からは、香川県と香川県観光協会がうどんを全面に押し出し、県の観光をアピールしています。 そこまでうどんが愛される要因となったのは、古くから良質の小麦、塩、醤油、煮干しという、うどんに必要な材料の入手が容易だったことに起因すると言われています。
このような香川県には、高松地方・家庭裁判所、高松地方・家庭裁判所丸亀支部、高松地方・家庭裁判所観音寺支部、高松家庭裁判所土庄出張所などの裁判所があります。
香川県の相続税の課税割合は、平成27年、28年ともに7.6%です。全国平均は8.0〜8.1%で、もちろん四国地方では最も高く、課税割合が高い関東エリアの中でも群馬県とほぼ同じ数値です。
前述の通り、人口の最も多い高松市は、市街地とベットタウンである郊外ともにバランス良く集中しています。 平成27年のデータで、持家率は全国16位であるにも関わらず、住宅や土地のための負債が全国1位となっております。ここから紐解かれることは、高額な不動産を購入する割合が高いのかもしれません。 よって、持家指向が高く、相続に関する問題も発生する可能性は十分あると言えます。
また、ローンが残ったまま相続が発生して、負債まで相続してしまうという問題も考えられます。 相続問題が、相続争いなどに発展してしまった場合や相続の放棄を行う場合は、上記の裁判所に遺産相続調停や訴訟の申立、相続放棄の申述をすることになります。
香川県の弁護士事情
それでは、相続問題が発生した場合、香川県の弁護士事情はどうなっているのでしょうか。
香川県には、高松市に香川県弁護士会があり、その会員数は72名となっています。 また、香川県弁護士会館には法律相談センターがあり、相続問題を含めた法律相談や被害者救済の相談窓口を開設しています。
この他にも、中讃・西讃地区の弁護士を探している場合に向けた電話窓口や、小豆島の島民向けに小豆島法律相談センターを設置しています。 特に小豆島法律相談センターは、予約制で無料相談を行っています。
香川県では弁護士のいない市町村もあり、こういった窓口に行くのが困難な場合などは、「法テラス」を利用することもできます。
法テラスとは、「日本司法支援センター」の愛称です。 国が設立した法的トラブルに関する一括窓口で、弁護士の紹介の他、法律情報の提供や被害者相談、弁護士費用の支払いが困難な場合の立替なども行っています。 法テラスは、法テラス香川法律事務所が高松市にありますが、遠方や仕事や家庭の状況で行くことが困難な場合は、法テラスサポート・ダイヤルで電話相談ができますし、メールは24時間受付が行われています。
相続問題はこじれてしまうと解決までに時間がかかったり、親族であるがゆえに遺恨が残ると先々まで尾を引いてしまったりと、ぜひとも早期に解決しておきたい問題です。 できれば相続問題が発生する前に、可能性の段階からでも、早めに弁護士に相談しておくことをお勧めします。
また、弁護士も得意分野、精通している分野がありますので、弁護士会や法テラス、またホームページなども参考に、自分の状況に合った弁護士を見つけるのがよいでしょう。
地価と富裕層
次に、香川県県の地価と富裕層の状況を見ていきましょう。
香川県で最も地価が高いのは、高松市です。 高松市の中でも、平成30年の公示地価で最も高いのは磨屋町、次いで南新町、西の丸町、番町となっています。いずれも前年より地価は上昇しています。
磨屋町から上位3つの町は市街地となり、公共施設や商業施設が大部分を占めています。 番町は地価こそ第4位ですが、県庁や高松市役所の近隣にあって、四国を代表する高級住宅地になっています。
他にも、市街地に近いにも関わらず栗林公園という大きな緑地に近い栗林町、桜町、中野町は、高級住宅地や優良住宅地が形成されています。
また、JR高松駅近くの錦町、郊外のベッドタウンとして綾川町なども富裕層に人気です。 こういった高松市の高級住宅地や優良住宅地に不動産を持っている場合は、相続税の発生も視野に入れる必要があるでしょう。
また、香川県内の世帯平均年収は約435万円で(平成23年)、市町村別にみても顕著な高低差がありません。県全体で収入が安定している世帯が多いとも言えるため、相続問題はどこにでも発生し得るとも考えられます。