1.熊本県の相続の状況
熊本県の相続はどのようになっているのでしょうか。
熊本県は、九州地方の中央部に位置しており、人口は約1,765,000人で(2017年10月現在)、全国で23番目に人口の多い都道府県です。
東部には阿蘇山をはじめとする山々がそびえ立ち、西部は八代海や有明海に面していて、山と海のある美しい自然の景観が広がっています。 温暖ではあるものの、寒暖の差が激しいのが特徴で、その気候や自然を活かした農業が盛んであり、トマトや、い草、スイカなどの生産量は全国一位を誇っています。
観光では、熊本城、阿蘇ファームランド、阿蘇カドリー・ドミニオン、黒川温泉、水前寺成趣園などが有名です。 最近では、熊本県のマスコットキャラクターであるゆるキャラ、くまモンが全国で人気を集めており、愛らしいくまモンに会いに訪れる観光客も多く、活気に溢れています。
このような熊本県には、熊本地方・家庭裁判所、熊本地方・家庭裁判所玉名支部、熊本地方・家庭裁判所山鹿支部、熊本地方・家庭裁判所阿蘇支部、熊本地方・家庭裁判所八代支部、熊本地方・家庭裁判所人吉支部、熊本地方・家庭裁判所天草支部などの裁判所があります。
熊本県の平成27年の課税割合は3.32%で全国第42位であり、全国平均である7.99%をはるかに下回っているため、相続争いは発生しにくい都道府県であると言えるかもしれません。
しかし、前年の平成26年の課税割合は1.96%でしかなかったため、平成27年の大規模な税制改正の影響も手伝い、1年間で1.36%の増加と、大幅な伸びを見せており、相続は富裕層や裕福な家庭だけの問題では無くなってきていると言えます。
相続問題は、今やどのような層の家庭にとっても他人事ではなくなり、熊本県でも、件数は少ないながらも着実に相続争いの件数は増加していくでしょう。 万が一相続争いに発展した場合、上記の裁判所に遺産相続調停の申し立てをすることになります。
2.地価と富裕層
次に、熊本県の地価と富裕層の状況を見てみましょう。
熊本県で最も地価が高いのは、県庁所在地である熊本市です。 熊本市の中でも、新屋敷は、市内の中心にあり、市街地へのアクセスも良く、生活するのに便利であるにもかかわらず、閑静な街並みが広がり、豪邸も多く、富裕層が多く集まっていると思われます。 熊本城に近い京町も、環境が良く、富裕層に人気のある住宅街として知られています。
また、2016年の熊本地震で被害が甚大であった益城町に隣接する熊本市の東区は、被災者の移転先としての住宅の需要が高く、地価が上昇傾向にあります。
熊本市以外では、特に目立って地価の高い市町村はないため、熊本県の地価の高いエリアは、熊本市に一極集中していると言っても過言ではないかもしれません。 そのため、熊本市、特にその中心部に一軒家を所有していた場合、相続税が発生する可能性が高くなります。
それ以外の市町村では、相続税にや遺産相続に関する心配ははそこまでする必要がないかとは思いますが、たとえ僅かな遺産であったとしても、お金が絡むと残念ながら人は変わってしまい、争いが起きてしまうものです。 自分たちには関係ないだろう、と過信せず、相続問題は誰にとっても身近なものであるという意識を持っておきましょう。
3.熊本県の弁護士事情
それでは、熊本県の弁護士事情はどうなっているのでしょうか。
熊本県には熊本市に熊本県弁護士会があり、その会員数は273名となっています。(2017年4月1日現在) また、山鹿・菊池地区、荒尾・玉名地区、天草、人吉・球磨、県南・八代、熊本、阿蘇、益城の8箇所に法律相談センターを設けています。 このように、熊本県弁護士会は各地のフォローをしっかりと行っており、弁護士探しに難航するようなことはあまりないかと思いますし、相続問題に詳しい弁護士も見つけやすいだろうとは思います。
しかし、自宅近くに弁護士が全くいない環境にある方も珍しくありません。 そのような場合、近隣の市町村までエリアを広げて探した方が良いでしょう。 特に、人口が多く、最も栄えている熊本市であれば、相続問題が得意な弁護士が見つかる可能性が格段に高くなります。
多少距離は遠くなってしまってでも、熊本市まで足を伸ばして弁護士を探した方が、逆に問題解決への近道となるでしょう。 地価の高い熊本市に一軒家を所有しているなど、相続問題が心配な場合は、お早めに相続問題に強い弁護士を探して相談してみることをお勧めします。