奈良県の相続事情にはどのような特徴があるのでしょうか。
奈良県は、関西圏にある京都と並ぶ歴史ある地域で、人口は1,344,783人で(2018年3月1日現在)、全国で30位と知名度の割には意外にも人口が非常に少ない都道府県です。
奈良県といえば、修学旅行先として全国的にも知られており、中でも奈良の大仏として有名な東大寺や、鹿せんべいで知られている奈良公園、そのほかも世界遺産の吉野山の千本桜や薬師寺、法隆寺、平城京跡、唐招提寺などがとても有名です。また、最近ではマスコットキャラクターとしてゆるキャラのせんとくんが話題になりました。
食文化としては、奈良漬や柿の葉ずし、三輪そうめん、胡麻豆腐、天理ラーメンなどが有名です。
このような奈良県には、奈良地方裁判所、奈良家庭裁判所、奈良簡易裁判所、奈良地方裁判所葛城支部、奈良家庭裁判所葛城支部、葛城簡易裁判所、奈良地方裁判所五條支部、奈良家庭裁判所五條支部、五條簡易裁判所、宇陀簡易裁判所、吉野簡易裁判所、奈良家庭裁判所吉野出張所などの管轄裁判所があります。
奈良県の平成27年の課税割合は8.89%で全国第7位と人口からすると非常に高く、全国平均である7.99%も上回っています。このことから、奈良県で発生した相続については、比較的相続税が課税される可能性が他の都道府県よりも高いことがわかります。
ちなみに平成26年の課税割合は4.75%であったため、相続税制度の改正によって課税される割合が飛躍的に増えた地域であるといえるでしょう。
奈良県は相続が発生するとその地域の慣習や先祖代々のしきたりなどが影響するケースもあるようなので、相続問題について相談する際には、できる限りそう言った事情にも精通している弁護士に相談すると良いでしょう。
1.地価と富裕層
人口に対する課税割合が非常に高い奈良県ですが、相続税が課税されるもととなりうる土地の価格について見ていきたいと思います。
奈良県内で最も地価が高い地域なのが奈良市で坪単価42万円前後となっています。
奈良市の中でも地価に大きく差があり、最も高い地域が近鉄奈良エリアで中筋町や東向南町、油阪地方町、油阪町などの地域の地価が高い水準を保っています。中でも中筋町は坪単価で208万円前後と全国的に見ても非常に高い水準となっています。
また、奈良市内以外の地域ですと、生駒市も地価水準が高く、中でも北新町の地価が非常に高く坪単価101万円前後、さらに元町で94万円前後、そのほか東生駒なども高い地価水準となっています。
奈良県で相続税が課税される可能性が高い高級住宅地というと、まず思い浮かぶのがやはり地価が高い近鉄奈良エリアである学園北、学園南、さらには百楽園や学園大和町、登美ケ丘、中登美ケ丘、東登美ケ丘などがあります。
また、生駒市の真弓、白庭台などについても比較的高級住宅街として知られているため、相続税の発生には注意が必要です。 これらの地域については、土地の評価額が高いため、相続税評価額が基礎控除額を上回って相続税が課税される可能性が出てきます。これらの地域にお住いの方や、不動産を所有している方は、相続発生時に注意しましょう。
2.奈良県の弁護士事情
最後に、奈良県で相続について相談する際の弁護士事情について触れたいと思います。
奈良県には、奈良市に奈良弁護士会があり、その会員数は169名(2017年4月1日現在)となっています。 奈良弁護士会では無料相談を実施しており、中南和法律相談センターでは電話で事前に予約することで、無料相談を利用することができます。
弁護士紹介センターもあり、担当弁護士(有料)を紹介してくれるサービスもあります。
また、奈良弁護士会は自治体に相談担当弁護士を派遣しており、各自治体の市役所で無料法律を受けることができます。窓口については各市役所にお問い合わせください。
そのほか、相続や遺言に関する相談ダイヤルが開設されており、原則20分以内は弁護士との相談を無料で利用することができます。
このように奈良県は人口に対する相続税課税割合が高いため、相続に関連する相談業務についても弁護士会が力を入れているようです。相続に強い弁護士を探すのであれば、相続税が課税される可能性の高い都市部である奈良市や生駒市周辺の法律事務所を候補にすると良いでしょう。