簡単に分かる!会社の相続は「株式」の相続である

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法人・自社株(有価証券)の相続手続きについて教えて!

Q.会社の社長が突然なくなりまして、相続が開始しました。その「会社」「社長」という役職自体は相続の対象となるのでしょうか??。

本日は会社の相続について解説いたします。

よくありがちな質問ですが、「会社を相続する=役職を相続する」と多くの人が考えがちです。

しかし「会社」それ自体は法人ですので相続財産ではありませんし、社長という役職も相続の対象とはなりません。では、いわゆる家族経営のような「同族会社の社長」が死亡した場合、その会社の「次期社長は誰」になるのでしょうか。

この際ポイントとなるのは会社の自社株つまり「株式」の手続きです。

株式はたとえ非上場会社だったとしても、有価証券として一定の資産価値がありますから遺産相続の対象となります。

そのため、前社長が保有していた「株式」を相続した人が株主としての地位を相続し、その株主としての地位を利用して手続きの後、次期社長となるのです。

これが家族経営などの中小企業同族会社の相続の流れです。

非上場株式の評価。自社株はいくら?

Q.私の会社は非上場企業ランキングでトップレベルなんですが、「非上場企業の自社株」はどのようにいくらで評価されるの?名義変更したいのですが大丈夫でしょうか?

非上場企業は上場企業と違い、市場取引相場がないため、特殊な計算方法によってその株価を評価し、それに対して相続税が課税されます。

例えば、一定以上の株式を有する同族株主が相続する場合は「原則的評価方式」という方法によって評価をします。

原則的評価方式は、会社の規模によって計算方法が変わりますが、家族経営のような小会社の場合は「純資産価額方式」か「併用方式」によって評価をし手続きを行います。

簡単に言うと、会社の正味財産である純資産額を株式総数で割った金額が評価額となります。

○相続税を安くする方法はあるの?

非上場株式は、このように一定の資産価値があるとして評価され、それに対して相続税が税金として課税されるものの、現実問題として自社株を他人に売却して現金化する事はできません

そのため、株式の相続は、できる限り評価額を引き下げて課税される相続税を節税することが重要となります。

株価の評価方法である「原則的評価方式」は、当期利益を引き下げることで、自社株式評価額を引き下げることができます。

これを利用して、自社株を「生前贈与」すれば、評価額を意図的に引き下げて事業承継することも可能となります。税金対策は大切ですね。

【参考】税理士相談Cafe:上場株式と非上場株式の評価方法

よくあるトラブル1 自社株の相続対策は必須!

1:会社の自社株相続でよくあるトラブルって何?

例えば会社の株式を100%所有していた父が死亡し、長男、次男、三男、四男の4人が法定相続人とします。この場合、4人全員が株式の相続を主張して名義変更してと言い出し、それぞれ均等に25%ずつ相続する事になります。

ただ、そうなると会社の意思決定が非常に困難となり、兄弟の足並みが揃わないと会社の経営が立ち行かなくなる恐れもあります。

そのため、このような場合は予め社長の座を承継させる子供を予め決めておき、他の兄弟には現金や不動産など、別の財産を準備して相続させるなどの事前対策が必要となります。

よくあるトラブル2 同族会社の株相続。株式譲渡と税金について

2:同族会社によくあるトラブルって何?

先ほども少し触れましたが、同族会社の株式は「譲渡制限株式」といって、他人に株式を売却する際には会社の承認が必要となります。

ただ、現実問題として同族会社の株式をほしがる他人は通常おらず、また仮にいたとしても、他の株主である家族が、他人が家族経営の会社に参入してくることを嫌うため、売却して現金化する手続きをすることはまず無理です

ここが容易に売却して「現金化できる不動産相続」と大きく異なる点です。

そのため、自社株を相続するためには、予め相続税を支払えるだけの現金を必ず準備しておかなければならないという事になります。

仮に税金のための現金が準備できていないと、事業承継に支障をきたす可能性があるため注意が必要です。

借金が多ければ、相続放棄をした方がいいの?

Q.自社株って相続放棄したほうがメリットあるの?

自社株の相続で万が一、名義変更もしたくない、相続放棄を検討する場合は、その判断を慎重にする必要があります。

たとえ、当期実績が赤字だとしても、今後黒字化することが予想されるのであれば、安易に相続放棄をする事は得策ではありません。

また、被相続人に株式以外の個人資産が多い場合は、それらとも比較検討して最善の選択をしなければなりません。

また、この際に注意しなければならないのは被相続人のしていた「個人保証」です。

一般的な中小企業の場合、金融機関から運転資金などを借り入れる際に社長個人が会社の「連帯保証人」となっているケースがほとんどです。

そのため、もしも株式を相続する場合は、この連帯保証債務も引き継がなければなりません

すでに役員などで保証人となっている相続人は問題ないかもしれませんが、そうではない相続人は、この点についてよく理解したうえで相続するかどうかを検討すべきでしょう。大変なのは有価証券に対する税金だけではないということです。

有限会社の相続。医療法人の相続。

○有限会社や医療法人の相続はどうなるの?

おまけに有限会社と医療法人についての相続も少し紹介しておきます。

有限会社は会社を設立する際に手続きして出資した「出資金」に応じて「社員権」という権利が与えられています。

これが相続の対象となるため、死亡した人からこの社員権を相続することで、有限会社を承継する事となります

この流れは医療法人も同様で、出資分が相続の対象となります。但し、医療法人の場合は、理事長である医師が死亡して相続が発生した場合は、医療法人として必要な医師の人数が減るため、相続人に医師免許がない場合は事前に対策をとっておく必要があるでしょう。

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