遺産分割協議書の預金についての書き方|すぐ使えるひな形つき

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遺産分割協議書の作成で、被相続人の預金の分割方法についてどのように書けばよいかお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、

  • 遺産分割協議書の作成が必要になるのはどんなときか
  • 【ケース別】預金に関する遺産分割協議書の記載例
  • 協議書を作成した後の預金相続の手続き

を解説します。

1.遺産分割協議書とは:協議内容をまとめた書類

そもそも遺産分割協議書とは、相続人全員が参加した遺産分割協議で合意したことをまとめた書類のことです。
記事の最後でもご紹介しますが、遺産分割協議書は、預金を相続するときの必要書類です。

ただし、以下のときは遺産分割協議書の作成は不要です。

  • 相続人が1人だけのとき※
  • 遺言書通りに相続するとき
  • 法定相続分で相続するとき

※複数の相続人が話し合った結果、一人が相続することになった、という場合であれば協議書が必要です。ただし、他の相続人が相続放棄すれば、相続放棄した人ははじめから相続人ではなかったことになるので、不要です。

逆にいうと、法定相続人が複数いて、遺言書がなく、遺産分割協議によって決めた相続分で預金を相続するときは、「遺産分割協議書」が必要になります。

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以下では、被相続人の遺産に「預金」があるときの遺産分割協議書の書き方を解説します。

2.遺産分割協議書に預金について記載するときのポイント

基本的に、遺産分割協議書で明確に書かなくてはいけないのは以下の項目です。

  • 被相続人の氏名、死亡日、本籍地
  • 相続人が話し合い、合意した旨
  • 遺産分割協議書を作成した年月日

加えて、預金の場合は、以下のことも必要です。

  • 相続人について(誰が、何を、どれだけ相続するか)
  • 預金の情報(金融機関名・支店名・口座名義人・種類・口座番号)
  • 相続開始後に生じた利息とその他の果実はどうするか

相続開始後に生じた利息とその他の果実とは

定期預金の利息など、もとの遺産からさらに収益が生まれる可能性があります。
このように、ある物から副次的に得られる収益を法律用語で「果実」といいます。

相続開始後~遺産分割までの間に生じた果実については、遺産から切り離され、相続人が相続分に応じて当然に取得するものであるとされています(最高裁平成17年9月8日判決)。
ただし、「果実も遺産分割の対象になる」という合意を共同相続人全員で行った場合は、遺産分割の対象にすることも可能です。

いずれにせよ、今後生じ得る果実は誰が取得するかなど、果実について、話し合いで合意したうえでその扱いを決めましょう。
預金の金利などは通常は金額も小さいため、預金全体とあわせて遺産分割してしまうことが通常です。

遺産分割協議書への預金残高の記載

預金の情報について書く際、被相続人の口座に一体いくら残っているのか、具体的な残高は書いても書かなくてもいいです。

記載した場合、例えば遺産分割協議書に記載した預金残高と、実際に預金の相続手続きをするときの残高とで違いがあると、銀行の手続きを進められないことがあります。

そのため、預金残高を記載する場合は、銀行に相続が発生したことを伝えて口座が凍結された後の残高証明書を確認して、正確に記載しなくてはなりません。

3.ケース別|遺産分割協議書への預金の記載例

次に、実際に遺産分割協議書をどのような文章で書けばいいか、ケース別に紹介していきます。
あくまで例なので、このまま真似する必要はありません。

3-1.一人が相続するときの記載例

はじめに、被相続人の預金を一人が相続する場合です。

1.相続人甲は、以下の遺産を取得する。

預貯金
〇〇銀行〇〇支店
口座名義人 〇〇〇〇
普通預金 口座番号******
残高〇〇円および相続開始後に生じた利息とその他の果実

3-2.複数人で分割するときの記載例|①割合で分ける書き方

次に、預金を割合で分けるときです。
ここでは、いったん代表相続人がまとめて手続きを行い、他の相続人にそれぞれ振り込む場合の書き方をご紹介します。

1.以下の遺産について、相続人甲が3分の2、乙が3分の1の割合で、それぞれ取得する。
甲は代表相続人として、以下の遺産の解約及び払い戻し又は名義変更の手続きを行い、乙の取得分について、別途乙の指定する口座に振り込んで引き渡す。その振込に必要な手数料は、乙の負担とする。

預貯金
〇〇銀行〇〇支店
普通預金 口座番号******
口座名義人 〇〇〇〇
(残高 〇〇万円)

預金を割合で分割したときの端数はどうする?

預金額や割合によっては、分割したときに端数が生じることがあります。

これについては当事者で合意できれば誰が取得しても構いません。
特に遺産分割協議書に記載する必要もありませんが、念のため記載する場合は以下の書き方を参考にしてください。

「なお、分割時に端数が生じた場合は、相続人○○が取得するものとする。」

3-3.複数人で分割するときの記載例|②金額で分ける書き方

金額で分けるときは、以下のようになります。
上の割合で分割する場合のように、手続きする代表者や引き渡し規定を入れてもいいでしょう。

1.相続人甲は、以下の遺産を取得する。

預貯金
〇〇銀行〇〇支店
口座名義人 〇〇〇〇
普通預金 口座番号******
〇〇円および相続開始後に生じた利息とその他の果実

2.相続人乙は、以下の遺産を取得する。

預貯金
同上
〇〇円

3-4.代償分割するときの記載例

また、預金をただ割合や金額で分割するのではなく、「代償分割」することがあります。

たとえば、口座が複数あるとき、すべての口座の預金を合計して複数の相続人で分割するのは大変です。
このような手続きの煩わしさを解消するため、一人が預金を相続する代わりに、その人が他の相続人に代償金を支払うという方法をとると、手間が省けます。これが代償分割です。
【関連記事】代償分割とは?代償分割の方法と注意点をわかりやすく解説

代償分割をするときも、その旨を書きましょう。

1.甲は以下の遺産を取得する。

預貯金
〇〇銀行〇〇支店
口座名義人 〇〇〇〇
普通預金 口座番号******

〇〇銀行〇〇支店
口座名義人 〇〇〇〇
普通預金 口座番号******

2.甲は預金を取得する代償金として、乙に〇〇万円を支払う。

預金以外の遺産についての書き方

以下の記事では、預金以外の遺産(不動産、有価証券など)の文例についても紹介しています。よろしければ参考にしてください。

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4.遺産分割協議書を作成したら預金相続の手続き

遺産分割協議をして協議書を作成し終わったら、いよいよ預金の相続手続きに移ることができます。

預金相続の手続き方法は、以下の記事で紹介しています。

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5.まとめ

本記事では、預金の相続について、遺産分割協議書にどのように書くかを解説しました。

一人で相続するか、複数人で分割するか、分割するならどうやって分割するかで若干書き方は異なってきますが、誰が何をどのくらい相続するか・預金の情報・果実などについて記述するという点は変わりません。
困ったときはできるだけ詳しく書くようにするのがよいでしょう。

遺産分割協議書は遺産相続の手続きの際に必要となる大変重要な書類ですから、不備のないようにご注意ください

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