受け取れる遺族年金・給付一覧|遺族厚生年金と基礎年金の受給条件

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年金

配偶者が亡くなったときなどには遺族年金を受けとることができるイメージがありますが実際に遺族年金を受けとることができるのは、どのようなケースなのでしょうか?

遺族年金は種類があり、それぞれの条件もありますので、正しく知っておく必要があります。
そこで今回は、遺族年金の種類と受取要件について解説します。

ただ、年金制度は非常に複雑で難しいため、一部詳細な条件の解説を省略しているところもあります。
誰が何を受け取れるのか、簡単に知りたい方は、最後の「6.遺族年金の種類と受け取れるケースまとめ」をご覧ください。

1.遺族年金の種類

遺族年金は、配偶者や親などが亡くなったときに受けとることができる年金です。遺族の生活保障のために認められています。
遺族年金には、遺族厚生年金と遺族基礎年金の2種類があります(2015年9月30日までは遺族共済年金を含め3種類でした)。

遺族厚生年金(旧遺族共済年金も含む) 遺族基礎年金
亡くなった人が会社員や公務員などで、厚生年金に加入していた場合に遺族が受けとることができる 亡くなった人が国民年金に加入していた場合に遺族が受けとることができる

2.遺族厚生年金と受給条件

2-1.遺族厚生年金とは

まずは、遺族厚生年金をご紹介します。

遺族厚生年金は、亡くなった人が厚生年金に加入していたときに受けとることができる年金です。
一般的な会社員の方が亡くなった場合、遺族厚生年金を受け取れることが多いでしょう。

また、2015年10月からは遺族共済年金が統合されましたので、公務員の方が亡くなったときも、多くの場合は遺族厚生年金が支給されることになります(統合と遺族共済年金については後述します)。

亡くなった人の要件

遺族厚生年金が支給されるには、所定の保険料を納付しており、かつ亡くなった人が以下のいずれかに該当している必要があります(厚生年金保険法58条)。

  • 厚生年金の被保険者
  • 被保険者でなくなって以降は、厚生年金の被保険者期間中の傷病により期間中に初診日があり、初診日から5年以内に亡くなった人
  • 1級・2級の障害厚生年金を受給できる人
  • 老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある人

2-2.遺族厚生年金の受給条件

遺族厚生年金は、上記の条件を満たす人が亡くなっても、受給者が以下の条件を満たしていなければ受け取れません(厚生年金保険法59条1項)。

共通条件:亡くなった人によって生計を維持されていたこと。「生計を維持」とは、同居または仕送りがあるか健康保険の扶養親族であり、かつ受給者が年収850万円未満または年間所得655万5千円未満の場合をいいます。

対象 受給条件
どのような年齢でも受給権があります。
子や孫 年齢制限があり、18歳の年の年度末になっていない場合に限られます。
障害年金で1級か2級の場合には、20歳未満の場合に受給できます。
夫、父母、祖父母 被相続人の死亡時55歳以上だった場合に受け取れます。支給開始は60歳からです。
(夫は遺族基礎年金受給中に限られます)

なお、胎児については無事に出生した場合は子として認められます(厚生年金保険法59条3項)。

受給者の順位

この対象者には順位があり、より順位の高い人が受給することになります(厚生年金保険法59条2項)。
相続人の順位とは異なりますので、注意してください。

  1. 配偶者または子
  2. 父母
  3. 祖父母

受給停止の条件

遺族厚生年金を受給していても、以下の場合には受給停止されます。

  • 受給者が死亡した場合
  • 受給者が直系の尊属や直系の姻族以外の人の養子になった場合
  • 受給者が再婚した場合
  • 受給者が離縁をしたため、死亡した人と親族で亡くなった場合

たとえば、妻が遺族厚生年金を受給している場合には、再婚をすると遺族年金の給付を受けることはできなくなります。

3.(旧)遺族共済年金と受給条件

3-1.遺族共済年金とは

遺族共済年金は、亡くなった人が公務員などで、共済年金に加入していた場合に支給される遺族年金です。

遺族共済年金は、2015年10月に遺族厚生年金に統合されました。
しかし、2015年9月30日までに共済年金の組合員が亡くなった場合には、遺族共済年金が支給されます。
また、統合以降に亡くなった場合でも、一定の場合には旧職域加算遺族給付を受け取れます。

以下は、統合前に遺族共済年金の受給権が発生した(組合員が亡くなった)場合の解説です。

亡くなった人の要件

遺族共済年金が支給されるには、所定の保険料を納付しており、亡くなった人が以下のいずれかに該当している必要があります。
基本的には遺族厚生年金と同様です。

  • 共済年金の組合員
  • 組合員でなくなって以降は、組合員であった間に初診日がある傷病により、退職後、その初診日から5年以内に亡くなった人
  • 1級・2級の障害共済年金を受給できる人、または1級~3級の障害年金を受給できる人
  • 組合員期間等が25年以上の人、または退職共済年金等を受給できる人

3-2.遺族共済年金の受給条件

遺族共済年金は、上記の条件を満たす人が亡くなっても、受給者が一定の条件を満たしていなければ受け取れません。
基本的には遺族厚生年金と同様ですが、夫・父母・祖父母の場合の55歳以上という年齢制限がありません。

共通条件:亡くなった人によって生計を維持されていたこと。
「生計を維持」とは、同居または仕送りがあるか健康保険の扶養親族であり、かつ受給者が年収850万円未満または年間所得655万5千円未満の場合をいいます。

対象 受給条件
どのような年齢でも受給権があります。
子や孫 年齢制限があり、18歳の年の年度末になっていない場合に限られます。
障害年金で1級か2級の場合には、20歳未満の場合に受給できます。
夫、父母、祖父母 支給開始は60歳からです。

受給者の優先順位は遺族厚生年金と同じです。

受給停止の条件

遺族共済年金は、以下の場合に受給停止になります。

  • 受給者が死亡したとき
  • 受給者が再婚(婚姻)したとき
  • 直系血族や直系姻族以外の人の養子となったとき
  • 子や孫である人が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき

4.遺族基礎年金と受給条件

4-1.遺族基礎年金とは

最後に、遺族基礎年金を見てみましょう。

遺族基礎年金は、亡くなった人が国民年金に加入していた場合に受給できる遺族年金です。

一定の人は、条件を満たせば遺族厚生年金や遺族共済年金と、この遺族基礎年金の両方を受けとることができます。よく、一階部分と言われる年金です。

亡くなった人の要件

遺族基礎年金が支給されるには、所定の保険料を納付しており、亡くなった人が以下のいずれかに該当している必要があります(国民年金法37条)。

  • 国民年金の被保険者
  • 被保険者でなくなって以降は、日本国内に住所がある60歳以上65歳未満の人
  • 老齢基礎年金を受け取れる人

4-2.遺族基礎年金の受給条件

遺族基礎年金を受け取れる人は、以下の通りです(国民年金法37条の2第1項)。

共通条件:亡くなった人によって生計を維持されていたこと。
「生計を維持」とは、同居または仕送りがあるか健康保険の扶養親族であり、かつ受給者が年収850万円未満または年間所得655万5千円未満の場合をいいます。

対象 受給条件
子のある配偶者 子が下記の条件を満たしていれば、配偶者はどのような年齢でも受給権があります。
年齢制限があり、18歳の年の年度末になっていない場合に限られます。
障害年金で1級か2級の場合には、20歳未満の場合に受給できます。

なお、胎児については遺族厚生年金と同様、無事に出生したら子として認められ、配偶者も子のある配偶者となります(国民年金法37条の2第2項)。

5.遺族給付と受給条件

ここまでで分かるように、亡くなった人が自営業等の場合、子供のいない配偶者は遺族年金を受け取ることができない仕組みになっています。

そうなると、自営業等を営んでいた人の配偶者は生活に困ってしまうおそれがあります。
このような場合には、遺族給付を受けることが認められています。

遺族給付には、寡婦年金死亡一時金という2種類があります。
寡婦年金と死亡一時金は、両方を受けとることは認められず、どちらか一方を選ぶ必要があります。

5-1.寡婦年金

寡婦年金を受けとることができるための条件は、以下の通りです(国民年金法49条)。

  • 亡くなった人が10年以上の間保険料を納めていた
  • 婚姻期間が10年以上続いている(内縁含む)
  • 亡くなった夫によって生計が維持されていた妻
  • 支給年齢は60歳~65歳

ご覧のように、寡婦年金は「妻」だけが受け取れます

寡婦年金が支給されると、残された配偶者が60歳~65歳の誕生日を迎えるまで、配偶者が生きていた場合に受けとれたはずの老齢基礎年金額の4分の3の金額を受けとることができます。

5-2.死亡一時金

死亡一時金は、年金保険料を3年以上納めたけれども年金を受給する前に亡くなったため、全く年金を受給出来亡くなった場合に遺族に支給されます(国民年金法52条の2第1項)。
ただし、遺族が遺族基礎年金を受け取ることができる場合は除きます(国民年金法52条の2第2項)。

死亡一時金を受け取ることができる遺族の範囲と順位は、、亡くなった当時生計を同じくしていた人で、次のとおりです(国民年金法52条の3第1項、2項)。

  1. 配偶者
  2. 父母
  3. 祖父母
  4. 兄弟姉妹

6.遺族年金の種類と受け取れるケースまとめ

これまでご説明してきた遺族年金の種類と受け取れるケースをまとめると、以下のようになります。

しかし、遺族年金や遺族給付の制度は非常に複雑で、何度調べても分からないという場合も少なくありません。
また、記事でご紹介してきた内容のほか、例外的に細かい条件もあります。

遺族年金や遺族給付については専門家に相談することをおすすめします。

亡くなった人 受給者 受取可能な年金の種類
会社員等
(2015年10月以降に亡くなった公務員を含む)
18歳までの子、20歳未満の1,2級障害のある子、これらの子のある配偶者 遺族厚生年金と遺族基礎年金
配偶者も子供もおらず、親や祖父母がいたら遺族厚生年金
子がいない、または子が上記条件を満たさない妻、55歳以上の夫 遺族厚生年金
配偶者や子がおらず、父母や孫等 遺族厚生年金
2015年9月30日までに亡くなった公務員等 18歳までの子、20歳未満の1,2級障害のある子、これらの子のある配偶者 遺族共済年金と遺族基礎年金
子がいない、または子が上記条件を満たさない配偶者 遺族共済年金(受給者が夫の場合は60歳から支給開始)
配偶者や子がおらず、父母や孫等 遺族共済年金(父母・祖父母の場合は60歳から支給開始)
自営業者等 18歳までの子、20歳未満の1,2級障害のある子、これらの子のある配偶者 遺族基礎年金
子がいない、または子が上記条件を満たさない配偶者 寡婦年金または死亡一時金(遺族年金なし)

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