これでわかる死亡届の書き方ガイド|各項目に書く内容と記入例
人が亡くなったら、7日以内に死亡届を役所に提出しなければなりません。人生で初めて死亡届を書く方向けに、何をどう書けば…[続きを読む]
人が亡くなったら、7日以内(国外で亡くなった場合:3ヶ月以内)に死亡届を提出しなければなりません。
では、死亡届はどこに提出しなければならないのでしょうか。
本記事では、死亡届の提出先について解説したのち、火葬や年金などの諸手続きとの関係についても解説していきます。
目次
死亡届とは、人が亡くなったことを公的に証明する書類のことです。
死亡診断書とセットになっていることが多いです。
提出については、死亡した人と同居している親族などが届け出る義務を負っています。
「死亡届」の書き方や届出義務人など、詳しくは以下の記事をお読みください。
死亡届の提出先は役所です。
どの役所に提出するかは以下で解説しますが、その前に、①提出期限と、②コピーの必要性についてご説明しておきます。
①提出期限
冒頭で触れた通り、死亡届は、国内で亡くなった場合には死亡事実を知ってから7日以内、国外で亡くなった場合には3ヶ月以内に届け出なくてはなりません。
もし、提出期限を過ぎてしまうと、5万円以下の過料が科せられる可能性もあります。
②コピーの必要性
死亡届は、役所での提出のほかにも、生命保険など後々諸手続きで必要になる可能性があります。
提出用とは別に、複数部コピーをとって保管しておくのがおすすめです。
いよいよ、死亡届をどの役所に提出するかについてです。
死亡届の提出先は、以下のどれかにあたります。
「本籍地」とは、その人の戸籍が保管されている場所のことです。
住んでいた場所(住所地)とは異なるので、ご注意ください。
死亡届を提出すると、戸籍に死亡事実が記載され、住民票が抹消されます(住民票の除票が交付されます)。
後日、亡くなった方の遺産を相続するための手続きをとる際、戸籍謄本や住民票の除票が必要になるのですが、【被相続人の本籍地】と【死亡届出の提出地】が異なると、死亡届の提出から住民票の附票交付の間に、タイムラグが生じることもあります。
したがって、後々の手続きを考えれば、亡くなった人の本籍地の役所で提出するのがおすすめです。
亡くなった場所の役所(病院で息を引き取った場合の、その病院がある市区町村役場など)でも死亡届の届け出が可能です。
死亡地の役所に提出すれば、役所の人が本籍地の役所に送付してくれます。
ただし、この場合には死亡届を2通提出しなければならないことに気をつけてください。
亡くなった人ではなく、死亡届を届け出る人の所在地の役所でも提出は可能です。
特に、亡くなった方が外国人であるときには、わざわざ外国まで行くことは困難なので、届出人の所在地で届け出ることになります(同条2項)。
人が亡くなると、火葬や年金の停止など、様々な手続きが必要になります。
しかし、死亡届の提出でそれらが自動的に完了するわけではなく、別の書類を用意する必要もあるので、それぞれ見ていきましょう。
※なお、以下で紹介する必要書類の他に、提出時に印鑑の持参が必要になる場合もあるほか、自治体によって若干持ち物が異なることもあるので、手続きの前に必ずよく確認しましょう。
多くの方は、亡くなった後、火葬ののち、埋葬されることになると思います。
しかし、規定の許可証をもらわないと、火葬や埋葬が行えないことをご存知でしょうか。
死亡届を役所に提出する際に、一緒に「火葬(埋葬)許可申請書」を提出すると、火葬許可証が発行されます。ちなみに埋葬許可証は、火葬許可証を火葬場で提出し、火葬が終わった時に発行してもらえます。
ただし、法律上、火葬は原則として死後24時間経過しないと行えません(墓地埋葬法3条本文)。
死亡届での提出と火葬許可申請の手続きは、葬儀業者が代行してくれることも多いです。
国民年金や厚生年金の受給資格は、亡くなった翌日に失うことになっています。
亡くなった方が年金受給者であった場合、そのまま年金の支給を続けてしまうと不正受給にあたってしまいますので、きちんと処置しなくてはなりません。
役所に死亡届を提出しただけでは、年金の支給は停止しないことにご注意ください。
国民年金なら14日以内に市区町村役場へ、厚生年金なら10日以内に年金事務所へ、年金受給権者死亡届を提出しなければなりません。
【参考】日本年金機構:年金受給権者死亡届
ただし、例外的に、日本年金機構に住民票コードが登録してあれば、年金受給権者死亡届の提出は不要です。
住民票コードが登録してあるかどうかは、本人の年金振込通知書で確認できます(「住民票コード収録状況欄」が「収録済」になっていれば、登録されているということです)。
職場の健康保険などに入っていた方や生活保護を受けていた方以外は、国民健康保険に加入しています。
しかし、死亡すると健康保険の資格はなくなるので、こちらもしっかり対応(脱退)をしなくてはなりません。
亡くなってから14日以内に、区役所の保険年金課や支所に国民健康保険被保険者異動届を提出し、保険証も返還しましょう。
なお、自治体によっては郵送での手続きを受け付けている場合もあります。
死亡したのが世帯主の方だった場合、14日以内に新しい世帯主を決めて、その旨を届け出る必要があります。
登録している住民基本台帳がある役所の窓口で「住民異動届出」を提出しましょう。
ただし、夫婦2人暮らしなど、世帯主以外が亡くなったことが自動的に世帯主が一人になる場合は、住民異動届出の提出は不要です。
また、住民異動届出の提出時には、本人確認書類や印鑑、世帯全員の国民健康保険証、また委任の場合には委任状の持参が求められます。
いかがでしたでしょうか。
死亡届は、亡くなった人の本籍地の役所または死亡地の役所、あるいは、死亡届を提出する人の所在地の役所に届け出る必要があります。
「本籍地」「死亡地」「所在地」など、少し馴染みのない表現が登場しますが、実際にやることは難しくありません。
基本的には、後の手続きのことも考えると、死亡した人の本籍地の役所に提出するのがおすすめです。住んでいた場所ではないことにご注意ください。
また、人が亡くなったときには、死亡届の提出の他にも、行わなければならない手続きが複数あります。
それらについては別途書類が必要になるので、各自治体のホームページなどでよく確認しながら進めていきましょう。
死亡届の提出の他、今後の流れについてはこちらの記事でご紹介しています。