正しい遺言の書き方|自筆証書遺言の要件と書き方の5つのポイント
この記事では、有効な自筆証書遺言の書き方と、遺言を書く上で重要なポイントを解説します。記入例(サンプル)や、なぜその…[続きを読む]
「遺言書を書いたはいいけど、どこに保管しておけばいいんだろう」「家の戸棚?銀行の貸金庫?せっかく書いたし安全に保管しておきたい」
ご自分で遺言書を書かれた方は、こういったお悩みをお持ちのことも多いと思います。
そこでこの記事では、遺言書の保管と、民法改正により法務局で保管してもらえるようになる新制度をご説明します。
2020年7月10日から、遺言書を法務局で保管してもらえるようになります。
これは、約40年ぶりの相続法改正に伴うもので、今まで自宅保管が多かった自筆証書遺言について、安全に保管できるようになる制度です。
法務局は、遺言書の原本を保管するとともに画像データでも保管し、相続人からの請求に応じて遺言書の証明書を発行したり、他の相続人に通知を行ったりします。
※法務局における遺言書等の保管等に関する法律
従来、自宅に自筆証書遺言を保管していると、様々な問題がありました。
例えば、下記のようなものです。
実際に、遺言書の改ざんが疑われたり、一部の相続人が隠してしまったりという争いは少なくありません。
また、そもそも相続人が遺言書の存在に気づかないということもあります。
そこで、こうした問題を解決するために、自筆証書遺言を法務局で保管する制度が導入されることになりました。
法務局は、日本全国にある登記や戸籍等を管理する場所で、私達の生活を裏で支えているものです。
このように法務局で遺言書を保管することは、以下のようなメリットがあります。
具体的な申請方法は次の2-2でご説明しますが、まずは必須の条件をおさえておきましょう。
当然ですが、制度が施行されるまでは利用できません。
また、後述しますが、申請できる法務局の場所は人によって異なります。
それぞれの適切な法務局に、遺言者本人が持参しなければなりません。
遺言書の保管については全国の法務局で実施されますが、誰でもどこでも保管してもらえるというわけではありません。
簡単に言えば、以下の場所の法務局が申請できる場所です(4条3項)。
また、既に遺言書を保管してもらっている場合、追加の遺言書は既に保管している法務局と同じ場所で可能です。
※まだ施行されていない制度ですので、法律から読み取れる限りの情報です。(2019年11月25日現在)
基本的には、遺言書とともに申請書を提出します(4条4項)。
申請書自体は法務局に用意され、ダウンロードもできるようになると思われますが、必要な記載事項としては下記のものです。
民法(相続法)の改正で、自筆証書遺言も財産目録の作成がパソコンでも可能になり、今回の法務局での保管と併せて、遺言書が身近なものになってきました。
せっかく使いやすく制度が変わってきていますので、相続人同士の争いを避けるためにも、適切な遺言書を遺し、自分の意思をしっかり伝えるようにしましょう。
遺言書の内容や適切な書き方は意外と難しいこともありますので、依頼するかはともかくとして一度弁護士に相談してみると安心できます。是非ご検討ください。