遺産分割審判とは|審判の流れと有利に進めるポイント
当事者の話し合いでは決着がつかなければ、遺産分割審判により解決を図ります。遺産分割審判とは、どのようなものでどのよう…[続きを読む]
遺産分割審判は月1回程度は審判期日が開かれ、長ければ2年以上になることもあります。
「相手の顔も見たくない」といった理由や、「どうしても仕事の都合で出席できない」といった理由から、審判を欠席したくなる・しなければならないこともでてきます。
そこでこの記事では、遺産分割審判を欠席するとどうなるのか、欠席したいときはどうすればいいか、弁護士に代理を頼めるのかなどをご説明します。
目次
結論から言えば、遺産分割審判は欠席できますが、しないほうがいいでしょう。
既に審判手続が進んでいる方はお分かりだと思いますが、遺産分割審判は、ほぼ裁判と同じ手続きです。調停までのように話し合いの場ではありません。
そのため、誰かが欠席したとしても審理は進みます。
遺産分割審判では、法定相続分による遺産分割をする判断が下されることが多くなります。こうした判断が下される場合には、遺産分割審判への欠席がそれほど不利に働くことはないでしょう。
しかし、「相手が特別受益を受けていた」という主張や、「自分は親の介護等で寄与分をもらうべき」という主張は、欠席してはできません。
仮に調停でこれらを主張していたとしても、審判で主張しなければ通常考慮されず、欠席した当事者に不利な事実認定・法的判断が下される可能性は高まります。
ただし、審判で特別受益や寄与分を主張するためには、しっかりと証拠を揃えて立証する必要があるため、弁護士の関与が重要になります。
そうは言っても、急に仕事の都合で欠席せざるを得ない、相手の顔を見たくない、裁判所が遠すぎて出席が難しいといった様々な理由があるでしょう。
しかし、先述した通り、欠席すれば、不利な審判になってしまう可能性もあります。
せっかく審判に至るまで頑張ってきたのに、最後に不利になるのはもったいないことです。
それでは、審判を欠席するときは、どうすればいいのでしょうか。
弁護士であれば、当事者の代理人となることができます。
もし審判全体を通して欠席したい、相手の顔も見たくないという場合には、弁護士に相談しましょう。
弁護士に代理人として遺産分割審判に出席してもらうことで、ご自分は弁護士と打ち合わせするだけで、欠席することができます。
もし今回だけどうしても仕事で欠席したい、次回からは出席できるといった場合、裁判所に連絡してみましょう。
相手方との調整も必要なので、簡単に変更できるわけではありませんが、事情を説明して審判期日を変更してもらえることがあります(家事事件手続法34条3項)。
裁判所によっては、期日変更申請書という書式をダウンロードできるため、それに記入して提出することになります。
申請書がダウンロードできない裁判所は、窓口で確認してみましょう。
原則として、ご自分に主張したい点がある場合には、遺産分割審判を欠席しないほうがいいでしょう。
どうしても遺産分割審判を欠席したい場合、ご自分にあった弁護士に相談し、代理人として出席してもらうか、1回だけなら裁判所に相談して期日を変更できないか確認してみてください。
また、審判で寄与分や特別受益を主張したい場合には、相続に強い弁護士に相談し、しっかりと対策しておく必要があります。