特別受益とは?受益が認められるケースと計算方法を解説!
相続人間の公平を図るために「特別受益」というルールがあります。特別受益とは何か、特別受益のある相続人がいる場合の計算…[続きを読む]
被相続人の遺言書がない場合に、相続手続きに必要となる遺産分割協議書。
しかし、いきなり遺産分割協議書を書くわけにはいきません。遺産分割協議書を作成する前に、作成する前に。必要書類を揃えて様々な事柄について確認しなければならないからです。
本記事では、遺産分割協議書の必要書類や書類の請求先、請求方法などについて詳しくご説明します。
目次
最初に、遺産分割協議書を作成する際の必要書類を一覧でお見せすることにしましょう。
なお、戸籍謄本などは、相続手続きに必要になります。相続人ご自身に必要な相続手続きを確認し、一度に請求しまえば、二度手間になりません。
誰の | 必要書類 | 請求先 |
---|---|---|
被相続人 | 出生してから亡くなるまでの戸籍 (除籍・改製原戸籍・現戸籍) |
被相続人の本籍地の役場 |
住民票の除票 | 被相続人の最後の住所地の役場 | |
戸籍の附票(※) | 被相続人の本籍地の役場 | |
分割すべき財産一覧 | 相続人が被相続人の財産を基に作成 | |
相続人全員 | 戸籍謄本 | 各相続人の本籍地の役場 |
住民票又は戸籍の附票 | 住民票:各相続人の住所地の役場 戸籍の附票:各相続人の本籍地の役場 |
|
印鑑証明書 | 各相続人の住所地の役場 |
※ 住民票が消除されている場合に取得。
さらに、被相続人の遺言書に含まれていない遺産があり、遺産分割が必要な場合には、次の書類も必要です。
検認証明書は、検認をしてもらった被相続人の最後の住所地の家庭裁判所で入手できます。
相続放棄をした相続人がいる場合には、次の書類を揃えます。
ちなみに、相続放棄申述受理証明書は被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に交付申請することで、相続放棄した人以外の他の相続人でも可能です。
実は、これらの必要書類は、遺産分割協議自体に必要なのです。
では、何を確認するために、これだけ多くの書類が必要になるのでしょうか。
被相続人の住民票の除票や戸籍の附票は、被相続人を特定するために必要です。住民票が消除されている場合には、戸籍の附票で代用します。
被相続人の出生してから亡くなるまでの戸籍は、子供や配偶者、親・兄弟姉妹といった相続人となり得る人を確認するために入手する必要があります。
さらに、相続人全員の戸籍謄本を収集することで、相続人の生存を確認し、住民票や戸籍の附票で相続人の住所を確認します。
リストには、「分割すべき財産一覧」と記載しましたが、財産一覧を作成するためには、次のような書類を収集し、被相続人の遺産の範囲を確定し、相続人間で遺産の評価額について合意することで、遺産分割を行うことができます。
被相続人の預貯金について | 各金融機関の通帳・預金残高証明書・取引明細表など |
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遺産に不動産がある場合 | 固定資産税通知書など |
遺産に有価証券がある場合 | 株券・配当通知・取引残高報告書・残高証明書など |
遺産に債権がある場合 | 契約書など |
遺産に借金が含まれる場合 | 借用書など |
また、特別受益の持ち戻しや寄与分を主張したい相続人や、相続放棄をした相続人は、次の書類を収集して、その存在を証明します。
特別受益とは、相続人が被相続人から、生前贈与または遺贈により受けた特別な利益のことをいい、特別受益を受けていない相続人は、特別受益を遺産総額に持ち戻して相続分の計算をすることを主張できます。
特別受益の持ち戻しを主張したい相続人は、例えば次の資料を収集する必要があります。
なお、特別受益について詳しくお知りになりたい場合には、次の記事を参考にしてください。
寄与分とは、法定相続人の中に、相続財産の維持形成のために特に貢献した人がいる場合、その貢献度に応じて多めの遺産取得分を認める制度です。
寄与分の主張をする相続人は、次の資料を主張の証拠として集める必要があります。
家事従事型 | タイムカードなど |
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金銭出資型 | 通帳の写しや登記簿など |
療養看護型 | 被相続人の診断書、要介護認定の書類、介護日誌など |
扶養型 | 仕送りをしたことがわかる送金履歴など |
財産管理型 | 相続人が管理業務に従事していたことがわかるメールや手紙など |
なお、寄与分について詳しくお知りになりたい方は、次の記事をご一読ください。
戸籍や住民票は、郵送で請求することも可能です。
郵送で戸籍を取得するには、次のものが必要になります。
※ 同一戸籍内の方またはその配偶者、直系尊属・直系卑属以外が請求する場合に必要です。
請求書は、各市区町村のHPからダウンロードできます。もし、入手できなければ、白紙にご自分で必要事項を記入してもかまいません。
また、コンビニでの交付を導入している市区町村であれば、コンビニでも取得することが可能です。
詳しくは、ご請求になる市区町村にお問い合わせください。
民法では、遺産分割協議の書式や書き方についての規定はありません。そのため、各相続人の認印を押印した遺産分割協議書も遺産分割協議書であることに変わりありません。
しかし、相続登記や相続税申告などには、各相続人の実印を押印した遺産分割協議書とそれに対応した印鑑証明書が必要になります。
したがって、遺産分割協議書には実印を押印し、各相続人の印鑑証明書を添付する必要があるのです。
印鑑証明書以外の書類収集は、弁護士などの専門家が代行することができます。
特に、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本の収集を相続人自身が行うと骨が折れることは必至です。
専門家の中でも弁護士には、遺産分割協議の交渉から相続手続きまですべて代理人として任せてしまうことができます。
是非、このサイトで相続に強い弁護士をお探しいただき、面倒な相続手続きを任せて、被相続人を偲ぶ時間を増やしてみてはいかがでしょうか。