成年後見センター・リーガルサポートとは?概要・役割・相談方法など

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介護

認知症患者や精神・知的障害者といった方は、判断能力が不十分であり、万が一の際に「自分に不利な判断」を下してしまう場合があります。こうした事態を防ぐために、日本では「成年後見制度」があり、後見人が障害者に代わって、有益な判断を下せる制度が整っています。

そしてこの後見人を養成・供給する組織として「成年後見センター・リーガルサポート」が設立されています。ここでは、この組織の概要や役割、相談方法について紹介していきます。

成年後見センター・リーガルサポートとは?

成年後見センター・リーガルサポートは、国内最大級の成年後見人の供給団体です。本部を東京都新宿区に置き、全国50か所に支部を設立しています。主な活動内容は後見人・保佐人・補助人の養育・供給などです。

設立目的

成年後見センター・リーガルサポートには、2つの目的があります。1つ目が「高齢者、障害者が自分の意思で、安心して日常生活を送ることができるように支援する」ことです。2つ目が「高齢者、障害者の権利の擁護と、福祉の増進に寄与すること」です。つまり、高齢者や障害者が安心して暮らせるようにすることを目的としています。

設立経緯

成年後見センター・リーガルサポートは、1999年に「新しい成年後見制度」実施の先駆けとして誕生しました。設立当時は「社団法人」でしたが、2011年には「公益社団法人化」して、現在の体制へと整っています。そして2013年12月末には当組織の利用者数は18万人を突破しています。

事業内容

成年後見センター・リーガルサポートの主な事業内容は、組織に所属する司法書士会員が「司法書士後見人」となり、高齢者や障害者の方の身上監護と財産管理をする活動をしています。また、この後見人として正しく活動するために必要な技術・知識の研修を実施しています。そのほか、講座・シンポジウムの開催や、書籍の発刊等の活動もしています。これらの事業を通して設立目的を達成しようと活動中です。

活動地域

成年後見センター・リーガルサポートには、東京都新宿区に本部を設置し、全国50か所に支部を設置しています。平成27年5月現在では7,600名を超える司法書士会員が所属をしており、日本では最大規模の成年後見者の供給団体です。

成年後見制度とは?

成年後見制度の概要

成年後見制度とは、高齢者や障害者といった判断能力が不十分になった人を、法律で保護したり、支援したりする制度のことを言います。

社会生活は「契約」で成り立っており、契約した結果がどうなるか判断する力が必要です。しかし、高齢や障害などによっては、この判断能力が不十分になることがあります。その結果、契約者が不利益を被る可能性もあります。こうした判断能力が不十分な人に代わって、契約などを結ぶ人を「成年後見人」と呼び、この制度を「成年後見制度」と言います。

成年後見制度の理念

成年後見制度は下記の3つの理念によって成り立っています。

  1. ノーマライゼーション
  2. 自己決定の尊重
  3. 身上配慮義務

まず「ノーマライゼーション」とは高齢者や障害者であっても健常者と同等に扱うことを指します。つまり、特別に何か手を出すわけではなく、今までと同じ感覚で接します。

続いて「自己決定の尊重」とは高齢者や障害者の自己決定を尊重させる考え方です。成年後見制度を利用している人でも、まだ正常に判断がつく場合もあります。正常な判断が付く範囲では高齢者や障害者の意見を優先させます。

最後に「身上配慮義務」です。これは高齢者や障害者の状況を配慮する義務です。成年後見制度を利用していても、プライバシー等を犯して良いわけではありません。したがって、高齢者や障害者の心情に配慮する必要があります。

成年後見制度の種類

成年後見制度には「任意後見制度」と「法定後見制度」の2つの種類があります。

「任意後見制度」とは、後見人の契約締結時には元気だが、将来的に判断能力が不十分になった際に備えておくための制度です。裁判所が選出した任意後見監督人が、任意後見人を監督してくれます。ただし、同意権・取消権による支援はありません。

また「法定後見制度」とは、すでに判断能力が不十分になった人に代わり、契約をしたり、契約の取り消しをしたりする制度です。こちらは同意権・取消権による支援があります。

成年後見センター・リーガルサポートへ相談する

成年後見センター・リーガルサポートへ相談する手順、相談方法の種類、相談内容について見てみましょう。

相談の手順は?

成年後見センター・リーガルサポートへ相談するには、まず最寄りの支部へ連絡を取ることから始まります。支部の場所はホームページから確認が取れるので、あらかじめ確認をしておきましょう。

相談後には、裁判所への後見人選出手続きを依頼したり、後見人になってもらったりすることもできます。また、後見監督人を選出することもできるようになっており、将来的にサポートしてもらうことも可能です。

相談方法の種類は?

成年後見センター・リーガルサポートへの相談方法は「電話相談」と「面談相談」の2つがあります。支部によって相談方法が異なるため、あらかじめ「電話相談」と「面談相談」のどちらに対応しているかをホームページで確認しておくといいでしょう。

なお、曜日や時間帯によっては受付時間外の可能性もあります。この点も調べてから相談を受けるといいでしょう。

相談できる内容は?

相談できる内容は「成年後見制度を受けた方が良いかどうか」や「どの種類の成年後見制度を受けるべきか」などを話し合えます。また、後見人選出の手続き依頼をすることも可能です。そのほか、後見人候補に面会し、話を聞くこともできるので、相談時点で不安に思うことを減らしておくといいでしょう。

市民後見人の育成・支援

成年後見人というと従来は弁護士や司法書士、社会福祉士・介護福祉士など、成年後見に関して十分や知識や経験を持つ専門家がなることが一般的でした。しかし、高齢者の増加に伴って成年後見人を必要とする人が急増しており、このままでは後見人が不足すると言われています。厚生労働省は、2012年の時点で65歳以上の認知症の方は全国で約462万人いて、2025年には700万人に増えるという見込みを発表しています。これは、65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症の患者になる予測です。

それに対して、2015年時点で全国の弁護士の人数は約36,000人、司法書士の人数は約22,000人しかいません。また、2016年5月時点で、社会福祉士は約20万人、介護福祉士は約150万人が登録していますが、必ずしも全員が介護福祉系の職業に就くわけではありません。

そこで、有資格者ではないが成年後見制度に関心を持ち貢献への意欲や倫理観が高い一般市民の方に、成年後見に関する一般的な知識を身につけてもらい、市民後見人になってもらおうとする動きが活発化しています。

市民後見人の育成・支援を目指して、各自治体で養成講座が開かれており、リーガルサポートでも各都道府県支部ごとに市民向けの講座が開催されています。

【参照】厚生労働省:市民後見関連情報

今は健康な家族や親戚、あるいは知人でも、将来、認知症になってしまう可能性は十分あります。そんなとき成年後見制度についてよく学んであれば役立ちますので、ご興味のある方は、ぜひお近くのリーガルサポートや市町村役場で受講されてみてはいかがでしょうか。

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