相続手続きに必要な書類|戸籍謄本、除籍謄本…内容から取り方まで
相続手続きには、数多くの書類が必要です。戸籍謄本や除籍謄本、住民票の除票、印鑑証明書などについて内容から取り方まで、…[続きを読む]
このような疑問をお持ちの方必見です。
除籍謄本とは何か、除籍謄本の取得方法や注意点、さらに、除籍謄本が必要となる場面をご紹介します。
目次
まずは、除籍謄本とは何か、また戸籍謄本や除籍抄本との違いについて解説します。
除籍謄本とは、結婚・離婚・死亡・転籍などによってその戸籍に記載されている人が誰もいなくなった状態の戸籍を、役所に発行してもらう際の書面のことです。
「謄本」とは原本の内容を全て写したものを言います。
その戸籍には誰もいないことを証明するためのものであり、その保存期間は150年です。
除籍謄本となった時点から、その記載内容を変更したり追加したりすることはありません。
紙の戸籍を使用していた時の除籍を「除籍謄本」、コンピューターで管理している除籍を「除籍全部事項証明書」といいます。
見本をご覧いただくとわかりますが、記載されている内容は「除籍謄本」も「除籍全部事項証明書」も実質的には同じです。
除籍謄本と戸籍謄本。名前は似ていますが、その意味は異なります。
戸籍謄本とは、現在有効な戸籍のことを言います。
一方で、除籍謄本は先ほど述べたように「その戸籍に誰もいないことを証明するためのもの」です。
つまり、除籍謄本とは「全員が戸籍から抜けたことを証明する戸籍謄本」とも言えます。
では、除籍抄本とは何が違うのでしょうか。
実は、その記載内容に違いがあります。
謄本は全部の写し、抄本は一部の写しという意味があります。
つまり、除籍謄本は除籍簿の全員について書面であるのに対し、除籍抄本は除籍簿の一部の人について証明した書面です。
基本的に、縦書きの様式のものは紙ベースで作られた除籍、横書きの様式のものはコンピューターを使用して作られた除籍です。
では、早速見本を見てみましょう。
(クリックで拡大します)
右上に「除籍」、左上に「この謄本は、除籍の原本と相違ないことを認証する。」と記載されており、除籍謄本であることがわかります。
また、下の名前の欄を見て分かるように、除籍になった人の氏名の上には罰印がつけられます。
戸籍に記載された全員が除籍されているので、この戸籍には誰もいないということです。
それぞれの氏名の上には出生による入籍と、各々の理由による除籍の旨が記載されています(身分事項と言います)。
更に、右端の本籍の下には、戸籍筆頭者の氏名が記載されています。
戸籍筆頭者が除籍になっても、戸籍筆頭者が変わることはありません。
本見本においても、左上に「除籍」、右上に「全部事項証明書」、末尾には「これは、戸籍に記載されている事項の全部を証明した書面である」と記載されており、除籍全部事項証明書であることが分かります。
先ほどの除籍謄本と異なる点としては、除籍の記載方法です。
除籍全部事項証明書では、氏名の上に罰印を付けるのではなく、「戸籍に記載されている者」の欄に「除籍」と記載します。
そのほかの点については、除籍謄本と同様です。
除籍謄本の取得方法には
という2つの方法があります。
ここでは、それぞれの取得方法についての必要書類や注意事項について解説していきます。
除籍謄本を自ら請求する場合、直接窓口で請求する方法と郵便で請求する方法の二種類があります。
いずれの場合も請求できる人は
です。
配偶者、直系尊属・卑属が請求する場合には、名欄に記載のある人との親族関係が確認できる資料が必要となります。
また、第三者の場合には、請求理由等を詳しく記載する必要があり、請求理由等が明らかではない場合は資料の提供を求める場合があります。
除籍謄本は、窓口で請求する場合も郵便で請求する場合も本籍地の市区町村役場で取ることができます。
コンビニで取ることは出来ません。
以下、各々の場合の必要書類と注意点についてまとめました。
自治体によっては他の書類が必要になる可能性もありますので、窓口でご確認ください。
また、請求書はフォーマットが各自治体によって異なる場合があるので確認が必要です。
必要書類 | 注意点 | |
---|---|---|
直接窓口で請求する場合 | ・請求書 ・窓口に来た人の本人確認書類 ・(代理人の場合のみ)委任状 ・請求権限を確認できる書類 |
手数料一通750円 |
郵便で請求する場合 | ・請求書 ・住所が記載された本人確認書類の写し ・返信用封筒一通 ・手数料(定額小為替又は現金書留) ・委任状 ・請求権限を確認できる書類 |
・請求書において、請求者名を印字する場合は必ず押印し、記載する場合はボールペンを使用する。 ・本人確認書類でパスポートは不可。 ・定額小為替はおつりが発生しないようにして、発行の日から6か月以内のものを使用する。 ・返信用封筒には返信先住所を記載し、切手を貼付する。 |
亡くなった方の「出生から死亡までの全ての戸籍」が必要な場合、除籍謄本一通だけでは足りない可能性が大いにあります。結婚すると、親の戸籍から抜けて新たに夫婦の戸籍ができますし、離婚すると、またその戸籍から抜けて自分一人だけの戸籍を作成する場合もあります。
また、戸籍法の改正によって、戸籍は何度か新しく作り変えられて(改製されて)おり、戸籍を新しく作り変える際に元となった戸籍のことを「原戸籍」といいます。
「出生から死亡までの全ての戸籍」といったときは、いくつもの除籍謄本や原戸籍を取得することは珍しくない話です。
しかし、除籍謄本をはじめとする様々な戸籍書類を漏れなく集めるにはかなりの労力が必要です。
弁護士であれば、戸籍書類の取得も頼みつつ、相続全般の相談にのってもらうことができます。
困ったときはぜひ弁護士に相談してみてください。
では、実際に除籍謄本が必要となる場面というのはどのような時なのでしょうか。
などがあります。
相続時には必ずといっていいほど必要となる書類です。
今回は除籍謄本の基本知識から、取得方法、取得の際の必要書類や注意点などをお話してきました。
相続時には必ず必要になる大切な書類です。
今は身近に感じられない方も、いずれはきっと手にする日が来るでしょう。
取得時には手続きの間違いのないように、しっかりと確認をしましょう。
戸籍謄本とは、現在その戸籍に入っているすべての人の情報を記載した文書です。
除籍謄本とは、その戸籍に入っている人が誰もいなくなったことを記載した文書です。
除籍謄本は、下記のような、相続時のいろいろな手続で必要になります。