正しい遺言の書き方|自筆証書遺言の要件と書き方の5つのポイント
この記事では、有効な自筆証書遺言の書き方と、遺言を書く上で重要なポイントを解説します。記入例(サンプル)や、なぜその…[続きを読む]
遺言(普通方式の遺言)には、「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」の3種類があります。ただ、3種類あることは知っていても
「どの方式で書くのが良いのか分からない」「選べない」と悩む方も少なくありません。
この記事では、3種類の遺言の形式の、それぞれの特徴とメリット、注意点を解説します。オススメの遺言形式や、専門家と相談したほうが良い内容なども紹介しているので、これから遺言の作成を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
まずは、3種の遺言方式を、それぞれ簡単に紹介します。民法には3つの遺言方式が定められています。
遺言者が全文を手書き(直筆)で作成する遺言です。自宅でも作成できる、最も簡単な遺言形式です。
公証役場で公証人と共に作成する遺言です。専門家が必ず入るため、有効な遺言を作成する上では最も確実な遺言形式です。
遺言書を作成して公証役場に持ち込み、「遺言の存在」のみを公証してもらう遺言です。
法律(民法)で定められた普通方式(※)の遺言はこの3つだけです。いずれかの形式で作成しなければ、法的効力(拘束力)を持ちません。
そのため、どの形式の遺言を作成するかを決めた上で、遺言を作成する必要があります。
そこで次に、自筆証書、公正証書、秘密証書の順に、遺言形式の特徴等を解説します。
普通方式の遺言のほかに、「特別方式の遺言」というものもあります(民法976条以下)。もっともこれらは「船舶事故」や「急病」など、普通の方式でじっくりと遺言が残せない場面を想定した例外的な規定ですので、普通はあまり気にしなくて良いでしょう。
自筆証書遺言は、その名の通り、自筆(直筆・手書き)で書くことを要件とする遺言です。財産目録などはパソコン(ワープロ)で作成することが許されていますが、遺言の本文は手書きしなければなりません。
自筆証書遺言のメリットは下記3点です。
他方、自筆証書遺言を作成する場合、下記3点には注意すべきです。
公正証書遺言は、公証役場において「公証人」という専門家に依頼して作成してもらう遺言書です。公証人と打合せをしながら遺言を作成するため、法律の要件を満たした有効な遺言を作成でき、安心して保管できるのが特徴です。
公正証書遺言を作成するメリットは、下記3点です。
他方、公正証書遺言を作成する場合、下記3点には注意すべきです。
秘密証書遺言は、遺言書の存在のみを保証してもらえる遺言です。証人や公証人などの第三者にも遺言の内容を知られず、かつ、「遺言書がある」ということを確実に伝えることが出来る点に特徴があります。
秘密証書遺言のメリットは下記3点です。
他方、秘密証書遺言を作成する場合、下記3点には注意すべきです。
上記3種類の遺言方式は、法律の要件を満たしてさえいれば、どの形式でも差はありません。(たとえば、「公正証書遺言は自筆証書に優先する」といったことはありません)
そのため、どの形式で作成するかは、遺言者が自由に決めてよいことになります。
「気持ちを伝えるためにも、しっかり手書きで残したい」ということであれば、自筆証書遺言が良いでしょうし、「絶対に誰にも内容を漏らしたくない、秘密にしたい」ということであれば、秘密証書遺言も良いでしょう。
ただ、遺言の方式に ”こだわり” がなければ、一番のオススメは「公正証書遺言」です。
その理由は、なんといっても「遺言の内容を確実に実現できる」という1点につきます。
そもそも遺言を残そうと考える場面では、下記3点がとても重要です。
この思いを実現する上では、何よりも「確実性」が重要です。無効な遺言となるリスクや、後に偽造・変造・隠ぺいをされるリスクは、極力避けたいところです。
そのため、費用や手間はかかりますが、その分安全性・確実性が高い「公正証書遺言」が、遺言の方式としては一番オススメです。
特に方式にこだわりがない方は、ぜひ公正証書遺言で作成しましょう。
相続に強い弁護士事務所では、遺言の方式を問わず、遺言の作成をサポートしています。
具体的には、依頼人と相談しつつ「遺言書の原案」を作成してくれたり、必要書類の準備や公証役場とのやり取りを代行してくれたりします。
特に、「遺言書の原案作成」は、とても大きなポイントです。
「遺留分」や「寄与分」などの、法律上認められる権利・利益も的確におさえた上で、遺族の将来を見据えた遺言の作成に力を貸してくれます。
当サイトでも、相続を専門的に取り扱っており、相談料を無料としている事務所を多数紹介しているので、これから遺言を作成したいと考えている人は、遺言の方式を問わず、一度相続に強い弁護士に相談してみることをオススメします。