相続放棄の手続きをカンタンに済ませるやり方

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相続弁護士Cafe_Q&A

相続放棄は、一般人でも出来る難しくない手続きです。
この記事では、相続放棄をすべき場面と用意すべき必要書類や記載方法のサンプル、注意点などをまとめて解説するとともに、「もっともカンタンな方法」である「弁護士に依頼する」という選択肢のメリットも紹介していきます。

1.相続放棄をすべきかどうかの判断

まず最初に、相続放棄をすべきが否かを判断する必要があります。どのような場合に相続放棄が必要なのでしょうか?

債務超過の場合

債務超過とは、被相続人の資産よりも負債が多い場合をいいます。相続が生じると資産のみならず負債も相続人に承継されることになりますので、被相続人の資産でその負債を賄えない場合には、相続人自身の資産で弁済することになります。

この状態にあるときは、経済的にみて相続をするメリットはありませんので、相続放棄を行うことが多くなります。

さらに、相続財産が債務超過の状態であるかを知るには、被相続人の財産調査が必要な場合があります。もし、財産調査が後述する熟慮期間に間に合わない場合は、相続放棄期間の伸長の申立をしなければなりません。

管理費用がかかる相続財産のみの場合

例えば、田舎の土地・畑などの場合、現在の不動産取引の情勢では容易に売却することはできませんので、そのまま相続人の所有となります。ところが、土地はただでは保有し続けることはできません。固定資産税などの管理費がかかります。

また、このような土地を利用する用途があればいいのですが、それもないような場合には、管理費の負担のみを承継することと実質的には変わらないことになります。この状態で、相続をするメリットはありませんので、相続放棄を行うことになります。

2.手続きで知っておきたいこと

次に実際に相続放棄の手続き上必要なことについてまとめておきます。

申し立てる場所

相続が開始した土地を管轄する家庭裁判所に相続放棄の申述を申し立てることができます(家事事件手続法201条1項)。相続が開始した土地とは、主として被相続人の住所のことです。

期間

相続人が相続の開始したことを知ったときから3か月以内に上記の家庭裁判所に相続放棄の申述を申し立てなければなりません(民法915条1項)。ただし、相続人等の利害関係人・検察官の請求により、家庭裁判所の判断で当該期間を伸張することができます。

具体的にどのような場合に伸張が認められているかといいますと、相続開始後3か月を経過したものの、思わぬ被相続人の借金が発見されたような事例等の場合です。

申述書の提出

相続放棄は、相続放棄申述書を家庭裁判所に提出して行います。

相続放棄申述書について

相続放棄の申述の申立書は以下のとおりです。裁判所のHPからダウンロードすることができます。

申立書は2ページから成っていて、それぞれ必要な箇所に記載する必要がありますが、以下赤字で主な注意点を記載します。

相続放棄申述に必要なその他書類

手数料等

手数料として収入印紙800円と連絡用の郵便切手が必要となります。

被相続人関係

住民票の除票又は除籍謄本が必要となります。なお、これらの書類については、市役所で相続放棄の申立てに使うので、ほしいといえば必要な書類を用意してくれます。

申立人の戸籍謄本

申立人が被相続人の配偶者の場合

被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本(1通)が必要となります。

申立人が被相続人の子どもの場合

被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本(1通)必要となります。いわゆる申立人が代襲相続人の場合には、裁判所にご確認ください。

その他の場合

裁判所にご確認ください。

相続放棄の申立書の提出方法

上記の提出書類を裁判所に郵送するか持参して提出します。いわゆるネットでの提出は認められていません。

申立後の手続き

申し立てると、しばらくして家庭裁判所から照会事項がきますので、これに回答すると、相続放棄申述受理通知書(以下「通知書」といいます。)が届きます。これで相続放棄手続きは終了です。

3.相続放棄をする場合の注意点

相続債権者との関係

家庭裁判所から相続債権者に対し何らかの通知がされることはありませんし、官報等での公告もありません。相続債権には相続放棄の事実を知る術がないということです。したがって、相続債権者からの請求があった場合には、上記の通知書を各相続債権者に対し提示する必要があります。

そして、相続放棄が裁判所に受理されたとしても、債権者が相続放棄をさせまいとして相続人が相続について知った時期について争う訴訟を提起する可能性は残っています。

次順位の相続人との関係

相続放棄をするということは、その相続人が相続の開始から相続人ではなかったことになるので、次順位の相続人がいれば、繰り上がって次順位の相続人に遺産の承継があったことになります。

具体的には、被相続人には妻と子の2名で、被相続人の父母は相続開始時点で死亡し、被相続人の兄弟姉妹は存命だったとします。この事例において、子が相続放棄をした場合には、配偶者と兄弟姉妹が相続人となります。したがって、被相続人が債務超過の場合には配偶者のみならず兄弟姉妹にも相続債権者から請求されることになります。

このような危険があるので、相続放棄をする場合には、親族の関係を事前に調査して、思わぬトラブルを招かないようにする必要があります。

遺産の保管

相続放棄の申述の申立てを行った場合であったとしても、通知書が届くまでは遺産の管理義務があります。特に遺産の中に車両などがある場合には、保管場所を確保しておく必要があります。

保険など

相続放棄をしても遺産は承継しませんが、保険金などの遺産とは別個の要因により受領する権利を持つものに影響は生じません。したがって、生命保険金の受取りや遺族年金の受取りは、可能です。

4.弁護士に依頼するメリット

必要な手順をおさえれば、相続放棄は一般人でも問題なく出来ます。
しかし、弁護士など専門家に相談する方も多いです。なぜなのでしょうか?

上記で解説した通り、相続放棄には一定程度の書類が必要です。書類の不備などがあれば何回も裁判所に通わなければなりません。書類の収集や裁判所からの照会の記入についてよくわからない場合など、誰も答えてくれません。
ハッキリ言って、「自分で出来るけど、自分でやるのは面倒です」。

そんな時に頼りになるのが弁護士などの専門家です。アドバイスに従い書類を収集し、申述書や裁判所からの照会の記入をすれば手間と時間の大きな節約となります。また、財産調査や親族関係の調査についても相続に強い専門家なら的確なアドバイスをすることができます。

また、以下のような場合などにも、適切なアドバイスを受けることができます。

  • 相続人間に争いがある
  • 被相続人の債権者から請求を受けている
  • 相続放棄をしたほうがいいのか迷っている

ちなみに、相続放棄を弁護士に依頼した場合、5万~10万円くらいが相場です(弁護士事務所により異なります)。

まとめ

弁護士に頼むと費用が掛かってしまいます。しかし、後々のことを考えればやはり専門家へ依頼したほうがメリットが大きいと言えるでしょう。特に、「自分でやってみたけどやっぱり無理」といった場合には、相談だけでもしてみたほうが良いでしょう。

トラブルを避けるためにも相続に強い専門家と相談しながら進めることが、相続放棄を滞りなく遂行する近道と言えます。

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