遺産分割を弁護士に依頼した時の料金・費用相場と弁護士の選び方

遺産分割 弁護士 費用

相続問題で最もトラブルになりやすい「遺産分割」。

遺産をめぐって親族間で争うのは避けたいところですが、遺産分割の交渉などを弁護士に依頼すると、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。

本記事では、高額な費用負担を心配されている方のために、遺産分割を弁護士に依頼するメリットや弁護士費用の相場をお教えします。

なお、遺産分割協議を弁護士に相談・依頼するメリット・デメリットについては、以下の記事を是非ご一読ください。

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1.遺産分割の流れ

まず、「遺産分割」がどのような流れで行われていくかを簡単にご説明します。
どのステップから弁護士に依頼するかで費用も異なります。

※なお、実際には、①相続財産の調査と②相続人の調査は並行して行われます。

①相続財産の調査

はじめに、被相続人の相続財産をすべて洗い出し、把握する必要があります。

相続財産には、現金や預貯金だけではなく、土地・家屋といった不動産や株式、骨董品・車等の動産、また借金などの債務も含まれます。

②相続人の調査

誰が法定相続人にあたるのかを調査します。

被相続人の出生から死亡までの戸籍を集め、遡りながら調べていきます。

③遺産分割協議(調停・審判)

遺産の内容と相続人が明確になったところで、誰が何をどれくらい相続するかを話し合います。

遺産分割協議で決着がつけばよいのですが、揉めることも多く、遺産分割協議がまとまらなければ調停に、それでもだめなら審判を行います。

なお、遺産分割調停の流れや遺産分割調停を弁護士に依頼すべき理由については、次の関連記事をご一読ください。

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2.遺産分割を弁護士に依頼した時の費用相場

それでは、弁護士の費用相場についてご説明します。

具体的な弁護士費用は、事案によっても変動するため何にいくらかかるのかは、相談時に弁護士にご確認ください。

2-1.相談料

依頼をする前の相談時にかかるのが相談料です。

相談料は、30分ごとに5,000円程度で設定している法律事務所が多く見受けられます。
相談は30分~1時間が一般的なので、概ね1万円程度を考えておくといいでしょう。

また、「初回相談は無料」「初回30分は相談無料」などの特典を設けている事務所・弁護士も多く、相談してみたいとお考えの方は、ぜひチェックしてみてください。

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2-2.遺産分割協議の弁護士費用

弁護士費用には「着手金」と「報酬金」の2つがあるので、それぞれご説明します。

着手金:20万円~30万円程度

着手金は、弁護士が業務に取り掛かるために支払う報酬です。
依頼が成功してもしなくても、返金はされません

遺産分割協議から調停に進んだ場合、追加料金をとらない法律事務所は多いですが、弁護士が何度も裁判所に出向く必要がある場合などは、別途日当が必要なこともあります。

なお、調停から審判に移行した場合は、10万円~程度の追加料金が発生することが多くなります。

完全成功報酬制の弁護士・法律事務所もありますので、料金について確認してみてください。

報酬金:得た利益によって変動

報酬金は、弁護士が業務を行ったことで依頼者が得た利益をもとに請求されるお金です。
したがって、「得た利益の〇%+〇万円」という風に定めているのが一般的です。

なお、多くの法律事務所が日弁連の旧報酬基準に準じていますので、以下の表が大体の目安になります。

経済的利益の額 報酬金(税込)
300万円以下 17.6%
300万円を超え3000万円以下 11%+19万8,000円
3000万円を超え3億円以下 6.6%+151万8,000円
3億円を超える 4.4%+811万8,000円

2-3.その他

遺産分割協議の前のステップについても弁護士に依頼する場合、以下のような費用がかかります。

相続財産調査の弁護士費用:20万円~30万円程度

被相続人の相続財産を洗い出す作業に加え、不動産などの財産は遺産分割協議でもめやすいため、金銭的に評価する必要もあります。

算定には不動産の知識が必要ですが、不動産業者と懇意にしている弁護士は多く、ワンストップで相談できるところもあります。

また、いざ遺産分割を始めようと思ったら、別の相続人が預貯金などを使い込んでいたことが発覚するというケースは珍しくありません。
他の相続人が相続財産の一部からした支出が適切であったかをチェックするためにも、弁護士に相談することをおすすします。

相続人調査の弁護士費用:5万円程度

法定相続人が誰かを調べる際には、戸籍謄本などの書類を収集する必要がありますが、とても手間のかかる作業です。
こうした作業を弁護士に代行してもらう場合は、手数料としておよそ5万円程度がかかります。

相続放棄の弁護士費用:10万円程度

被相続人の遺産について相続放棄をする場合には、家庭裁判所への申立て手数料として10万円程度がかかります。

遺留分侵害額請求の弁護士費用

ご自分の遺留分が侵害されていることが分かった際には、侵害額の請求を弁護士に依頼することをおすすめします。

費用相場については、次の記事で詳しくご説明しています。是非お読みください。

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まとめ

本記事では、遺産分割について弁護士に依頼するメリットや弁護士費用をご説明しました。

人によっては、「そんなにかかるのか…」と感じてしまった方もいらっしゃるかもしれません。しかし、弁護士費用だけで「高い」「安い」を判断し、後悔することがないようにお気を付けください。相続に強い弁護士であれば多少高いと感じても、それ以上の結果をもたらしてくれるでしょう。

相続に強い弁護士の探し方が気になる方は、是非次の関連記事もご一読ください。

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相続発生前後を問わず、相続に関連する問題に対して、弁護士があなたの味方になります。 まずは気軽に相談されることをオススメいたします。

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監修
弁護士相談Cafe編集部
弁護士ライター、起業経験のあるFP(ファイナンシャル・プランナー)、行政書士資格者を中心メンバーとして、今までに、相続に関する記事を250以上作成(2022年1月時点)。
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