成年後見制度とは?申立て手続きの流れと費用

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介護 認知症

成年後見制度とは、認知症などの理由で判断能力が不十分になった人たちを保護し、サポートする制度です。聞きなれないという人も多いと思いますが、現在ご高齢のご家族がおられる家庭の場合、やがてこの手続きに直面する可能性があります。

今回はこの成年後見に関する基礎知識をわかりやすく解説しつつ、実際に申立てする際の手続きの流れや費用についても説明したいと思います。

1.成年後見制度による保護の具体例

不必要な契約をしてしまったケース

一人暮らしのAさんの自宅に、耐震補強のセールスマンがきたとします。
Aさんは外見上は正常ですが、認知症が進行しており、正常な判断が出来ません。
また、Aさんの自宅は耐震補強工事など必要がないレベルの、頑丈な家です。

セールスマンは、Aさんが認知症であることに気づかずに、セールストークします。根負けしたAさんは、耐震補強の契約をしてしまいました。

このような場合、Aさんが正常な判断能力がないままされた契約が有効となると、Aさんが大きな不利益を受けます。

不合理な契約も取り消しできる

けれども、Aさんが成年後見制度を利用した場合、Aさんが判断能力がないためにしてしまったその契約を一方的に取り消すことができます

成年後見の申立をし、これが認められると、判断能力が不十分となった人のことを「成年被後見人」といい、その成年被後見人の代わりに契約をしたり身の回りの世話をする権限をもつ人のことを「成年後見人」といいます。

通常、契約を取り消すためには、その契約条項に則ってクーリングオフをしたりと、さまざまな問題が発生します。成年被後見人の場合、成年被後見人であるという理由だけで取り消すことができます
また、成年被後見人だけではなく、成年後見人にも取消権があります

つまり、認知症のご家族がいて、いつ変な契約をしてしまうかと不安な方は、成年後見の手続きをしておけば、万が一の際にも、後見人から契約の相手方に対して一言「取り消します」と言えばそれで解決することになるのです。

2.成年後見の申立て手続きの流れ

1) 成年後見の申立て

家庭裁判所に対して後見開始の審判の申し立てを行います。この際の管轄裁判所は、認知症や痴呆である本人の住所地の家庭裁判所となります。申し立ては本人のほか、配偶者、四親等以内の親族、検察官などが申立人となれます。

その際に主に以下のような書類を提出します。

・申立書(家庭裁判所で入手が可能です)
・本人以外が申し立てをする場合は申立人の戸籍謄本1通・本人の戸籍謄本、附票、登記事項証明書、診断書
・成年後見人の候補者となる人の戸籍謄本、住民表、身分証明書、登記事項証明書・申立書付票

なお、主な費用としては以下の通りです。

名称 金額
申立手数料(印紙代) 800円
郵送切手代 5,000円程度
登記手数料(印紙代) 2,600円

他には、必ず必要となるわけではありませんが、「鑑定費用」というものもあります。
成年後見は本人の精神状態や判断能力を慎重に確認する必要があるため、全体のおよそ1割程度は鑑定が必要となる場合があります。費用はおよそ5~10万円程度です。
その他、申し立てを弁護士に依頼した場合は別途弁護士報酬が必要となります。

2) 家庭裁判所による事情聴取

事実調査や確認本人、申立人、成年後見人候補者として記載した人を家庭裁判所に呼んで調査官から細かな事情を聴かれます。なお、この際に必要と認められる場合は精神鑑定が行われる場合もあります。

3) 審判

家庭裁判所が成年後見の審判をします。基本的には成年後見人候補者の中から後見人が選任されますが、家庭裁判所の判断でこれら以外の弁護士などを選任することもあります。

4) 成年後見の登記

家庭裁判所から審判書謄本を受け取ります。成年後見の申し立てが認められるとその旨が法務局で登記されて手続きは完了します。こちらで登記を行う必要はありません。

概ねこの一連の流れを2カ月程度で行いますが、本人の状態によってはもっと長くかかる場合があります。

3.成年後見の申請は弁護士にご相談を

これだけ見ると、手続き自体は簡単そうに見えるかもしれませんが、実際の成年後見の申し立て手続きは非常に煩雑化しています
必要書類についても、個別の事情に応じて、様々な資料の提供を要求されるので、初めて手続きをする人にとっては大変です。なかなか先が見えず、そのため今後の予定が立てられないなどの支障も出てきます。

そのため、成年後見の手続きは、できる限り弁護士に依頼することをオススメします。

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