相続・遺産分割での弁護士役割と弁護士費用の相場

★ お気に入りに追加
費用

相続問題を弁護士に依頼するとどのくらいの費用(報酬)がかかるのでしょうか?

1.相続における弁護士の役割・対応分野

まずは弁護士が取り扱う相続業務にどのようなものがあり、どんな役割をしてくれるのか、確認しておきましょう。

主な弁護士業務としては「遺言書の作成」「遺言執行者」「遺産分割協議」「相続放棄」「遺留分減殺請求」があります
手続がそれぞれ異なるので、それぞれ費用設定が違います。

2.弁護士費用の相場

それぞれの相続業務にかかる弁護士費用について解説します。

遺言書作成の相場

遺言書作成の場合、遺言書作成の手数料がかかります。その金額は、だいたい10万円~20万円程度が相場です。
ただし、遺産の額や遺言書の複雑さによって手数料の額が上がることはあります。
また、公正証書遺言を作成する場合には、公証人の手数料が実費として必要になります。公証人の手数料は、遺産の額によって異なります(遺産の額が大きくなると、手数料も高くなります)が、通常は数万円~の金額になります。

遺言執行の相場

遺言執行には手数料がかかります。その金額は、遺産の金額や相続人の数、事件の難易度などによっても異なりますが、だいたい以下の通りの金額になります。
基本的に、経済的な利益の額と手数料の関係は次のようになります。

経済的な利益の額 手数料
300万円以下 30万円
300万円を超え3000万円以下 2%+24万円
3000万円を超え3億円以下 1%+54万円
3億円を超える 0.5%+204万円

特に複雑又は特殊な事情がある場合には、弁護士と受遺者との協議によって報酬額を決定しますし、遺言執行に裁判手続が必要な場合には、遺言執行手数料とは別に裁判にかかる費用がかかります。
これは、弁護士会の旧報酬基準によるものですので、これとは別に独自の基準を定めている事務所もあります。

遺産分割協議

遺産分割協議の場合の弁護士費用も、旧報酬基準に従っている事務所が多いです。
遺産分割協議には、着手金と報酬金がかかります。

着手金の金額と報酬金の金額は、旧報酬基準に従う場合には上記の通りですが、これに従っていない事務所もあります。

着手金が最低20万円~かかることが多く、協議から調停に移行したら追加で着手金がかかることが普通です。
また、これとは別に裁判所に調停を申し立てるための実費が数千円かかりますし、交通費がかかるケースもあります。裁判所が遠方なら日当が必要になることも多いです。
戸籍謄本などを取り寄せるためにも、数千円~の実費が必要になります。

相続放棄の相場

相続放棄の場合の弁護士費用は相続放棄申述の手数料です。
相続放棄申述の手数料の相場は、だいたい5万円以上です。ただし、手続き前に相続財産などについての調査をする場合には、調査費用として5万円程度がかかることがあります。

遺留分減殺請求の相場

遺留分減殺請求をする場合、まず遺留分減殺請求通知を内容証明郵便で送り、その後相手との間で交渉をすることになります。
そこで、内容証明郵便を作成するための手数料と、交渉にかかる着手金、報酬金がかかります。
内容証明郵便作成の手数料は、だいたい3万円~5万円程度になることが多く、着手金・報酬金は、旧報酬基準に従っている事務所が多いです。

協議では解決できず、遺留分減殺調停が必要になった場合には、別途調停の着手金が必要になることが多く、調停が不成立になって訴訟に移行したら、さらに追加で訴訟の着手金が必要になるのが普通です。調停や訴訟に移行した場合の着手金の費用も級報酬基準に従って決められますが、継続して受任している場合には基準より減額されることも多いです。
また、内容証明郵便発送や裁判所への調停や訴訟の申立には、それぞれ実費がかかります。
裁判所が遠方のケースなどでは交通費や日当がかかることもあります。

旧報酬基準とは

相続業務には限りませんが、弁護士費用を理解するためには、弁護士費用の旧報酬基準について理解しておく必要があります。
弁護士費用は、今は自由化されていますが、過去平成16年3月31日までは弁護士会が定めた「旧報酬基準」という基準に従って定められていました。
今は撤廃されていますが、実際には今でも旧報酬基準に従って弁護士費用を定めているところも多いです。

旧報酬基準では、各種の弁護士費用について定められています。たとえば法律相談料は30分5000円、日当は一日5万円などです。
着手金や報酬金については、事件の経済的利益の金額に応じて決められていることが多いです。
着手金や報酬金は、経済的利益が大きくなるほど高額になります。
ただし、事務所によっては独自の報酬基準を定めていて級報酬基準と異なる費用体系になっていることもありますし、一部のみ旧報酬基準を取り入れている事務所も多いので、覚えておきましょう。

弁護士報酬まとめ

着手金 報酬金 手数料 実費
遺言書作成 10~20万円
(公正証書遺言の場合
公証人手数料:数万円~)
遺言執行 30万円~
遺産分割協議 20万円~ 経済的利益
額による(※)
調停申立:数千円
戸籍取寄:数千円
相続放棄 5万円~
遺留分減殺請求 経済的利益
額による(※)
経済的利益
額による(※)
3~5万円 内容証明郵便発送
調停・訴訟申立

※経済的な利益の額による着手金、報酬金は下記表

経済的な利益の額 着手金 報酬金
300万円以下 8%(最低10万円) 16%(最低10万円)
300万円を超え3000万円以下 5%+9万円 10%+18万円
3000万円を超え3億円以下 3%+69万円 6%+138万円
3億円を超える 2%+369万円 4%+738万円

3.弁護士報酬の種類

せっかくなので、弁護士費用の種類も確認しておきましょう。

法律相談料

弁護士費用としてまずかかるのは、法律相談料です。法律相談料とは、弁護士に依頼するのではなく、まず相談をする際にかかる費用のことです。
法律相談では、自分がどのような悩みを持っていて、どのような手続きによって解決することができるのかなどについて、弁護士に相談してアドバイスをもらうことができます。

法律相談料の相場はだいたい30分5000円ですが、今は多くの弁護士事務所で無料相談サービスを実施しています。初回相談料無料当初30分無料などにしている事務所もたくさんあります。無料相談ができる事務所はインターネットのホームページなどで比較的簡単に見つけることができます。また、経済的に余裕がない人の場合、法テラスの法律相談を利用すると、無料で弁護士に相談することができます。
よって、今では弁護士の相談料を払わずに弁護士に相談することは比較的簡単になっています。弁護士に相続の相談をする場合には、無料相談サービスを利用できる弁護士事務所を探してみると良いでしょう。

着手金

弁護士費用として代表的なものに着手金があります。着手金とは、弁護士に具体的に事件を依頼した場合、当初に支払う必要がある費用のことです。初期費用のようなイメージのもので、後に返還されることは基本的にありません。
手続きが協議から調停に移行した場合などには、追加で着手金が必要になることも多いです。

報酬金

弁護士費用には、報酬金があります。報酬金とは、事件が解決した場合に、解決内容に応じてかかってくる費用のことです。
たとえば、解決したときに相手から回収できた金額が高くなればなるほど報酬金は高くなることが普通です。

手数料

手数料とは、手続きに必要になる単発の業務にかかる費用のことです。たとえば、申立の手数料や書面1通を作成したり、調査をしたりする手数料などがあります。

日当

日当とは、弁護士が遠方に出張したりする場合に発生する費用のことです。これは交通費とは異なり、弁護士が一日かけて時間を割いたことに対する報酬ですので、交通費とは別に支払う必要があります。

実費

実費とは、手続きそのものにかかる費用のことです。弁護士に依頼せず、自分で手続きした場合にもかかる費用だと考えるとわかりやすいです。
たとえば、戸籍謄本や除籍謄本などの取得費用、郵便料金や各種の申立ての印紙代、郵便切手、内容証明作成費用、交通費などが実費になります。実費は自分で手続きした場合でも同じようにかかるので純粋には弁護士費用ではないですが、弁護士費用に含めて理解されていることも多いです。

4.まとめ

弁護士がかかわる相続業務としては、遺言書作成や遺言執行者、相続放棄や遺産分割、遺留分減殺請求などがあります。弁護士費用の種類としては、法律相談料、着手金、報酬金、手数料、日当、実費が主となります。
弁護士費用は旧報酬基準に従っている事務所が多いですが、法律相談料のように、かなり自由化による低額化が広まっている費用もあります。
着手金や報酬金についても、独自の基準を定めていて、安く設定している事務所もあるので、そのような安くてリーズナブルな事務所を探してみるのも良いでしょう。

これらを参考にして、相続業務を弁護士に賢く依頼して、スムーズに手続をすすめましょう。

相続に強い弁護士が問題を解決します

相続に関し、下記のようなお悩みを抱えている方は、相続に強い弁護士にご相談ください。

  1. 遺産の分割方法で揉めている
  2. 遺言の内容や、遺産分割協議の結果に納得がいかない
  3. 不動産をどう分けるか、折り合いがつかない
  4. 遺留分を侵害されている
  5. 相続関連の色々な手続きが上手くいかず、困っている

相続発生前後を問わず、相続に関連する問題に対して、弁護士があなたの味方になります。 まずは気軽に相談されることをオススメいたします。

デフォルトpr下ボタン

この記事が役に立ったらシェアしてください!

あなたへおすすめの記事