相続放棄を誰に相談する?弁護士と司法書士の違い

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遺産相続の場面で、相続財産に借金がある場合には、相続放棄することが効果的です。ただ、相続放棄にはいくつかの要件があり、家庭裁判所を利用した手続きなので、自分一人ですすめるのは不安です。相続放棄をするなら、弁護士に相談するのがおススメです

この記事では、相続放棄を弁護士に相談するメリット、弁護士と司法書士の違い、手続きや費用について説明します。相続放棄についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

1.相続放棄の手続き

1)相続放棄とは

相続放棄とは遺産相続を一切せずにすべて放棄してしまうことです
相続放棄をすると、財産のプラスもマイナスも含めて、その一切を相続しなくなります。
そのため、遺産の中に莫大な借金があったり債務超過になったりしていても、その借金を代わりに返済する必要などはなくなります。相続財産に関心がなく、相続人から外れたい場合も有用です。

2)相続放棄の申述手続き

相続放棄をする場合には、家庭裁判所に対して「相続放棄の申述」という手続きをします。手順を簡単にまとめると、5つのステップに分かれます。

  1. 相続放棄の申述書を作成する
  2. 管轄の家庭裁判所に申述書を提出する
  3. 家庭裁判所から「相続放棄照会書」「相続放棄回答書」が届く
  4. 必要事項を記入し、家庭裁判所に返送する
  5. 家庭裁判所で審理が行われる

相続放棄の申述が受理されたら、自宅宛に相続放棄申述を受理したという内容の通知書が送られてきます。これにより、有効に相続放棄ができたことになります。

3)相続放棄の申述手続きは専門家に依頼できる

相続放棄の申述は自分でもできますが、弁護士や司法書士が専門的に取り扱っており、彼らに相談・依頼して進めることもできます。

2.相続放棄を専門家に相談するメリット

相続放棄を専門家に依頼するメリットはなんでしょうか。
まずは、相続放棄を専門家に相談するメリットをご紹介します。

1)手続を確実に進められる

相続放棄の申述書や相続放棄照会書・回答書などは、適切に作成する必要があります。
当サイトでも、相続放棄照会書・回答書の書き方の具体例を紹介していますが、見れば分かるとおり、細かな質問がいくつかあります。これらの回答項目に不用意なことを書いたり不適切な記載をしたりすると、相続放棄の申述が認められなくなる可能性もありますので、注意が必要です。

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他にも相続放棄の注意点がありますが、これらをすべて相続人が行うのは大変です。
「これで本当に大丈夫だろうか」と不安を抱えたまま手続をすることにもなります。
相続放棄をしたい場合は「大きな借金がある」「不要な土地があり、相続してしまうと無視できない出費が出来てしまう」など、大きな不利益が背景にあるケースがほとんどですので、相続人が自己判断で行うのはリスクが高い行為だとも言えます。

他方、プロに任せれば、相続放棄が確実に認められるように手続をすすめてくれるので、安心です。

2)手間を大きく省ける

相続放棄の申述をする場合、まずは管轄の家庭裁判所を調べて相続放棄申述書を作成し、必要書類を集めて申述書の提出を行います。そして、相続放棄回答書に必要事項を記入して返送するという一連の作業が必要です。
このような書類の作成や収集、提出などの手続きは非常に面倒です。ふだん忙しくしている人にとっては大きな負担になるでしょう。

プロに任せれば、このような面倒な作業をすべて専門家が対応してくれるので、依頼者はとても楽になります。

3)3カ月の期限を過ぎても対応してくれる

自分で相続放棄をしようと思った場合、熟慮期間の3カ月がネックになります。気づいたときには3カ月を過ぎていたということもあれば、準備や調査がとても間に合わない、という場合もあるでしょう。
ところが、相続放棄を取り扱う専門事務所の多くは、「事情説明書」「上申書」と呼ばれる書類を別途作成することで、3カ月を過ぎた後の相続放棄も対応してくれます。
というのも、3カ月の熟慮期間を過ぎても相続放棄を認めるべき場合があることは最高裁判所の判例上(※)も認められており、法律の専門家である弁護士などであれば、それぞれの相続人の個別事情がその場面に該当するかどうかを、家庭裁判所に丁寧に説明することが出来るからです。
状況にもより、すべての案件で認められるわけではないですが、およそ素人には対応できない部分をフォローしてくれるので、専門家に依頼する極めて大きなメリットと言えます。

[※ 最高裁昭和59年4月27日 民集第38巻6号698頁]
【要旨】相続人において相続開始の原因となる事実及びこれにより自己が法律上相続人となつた事実を知つた時から三か月以内に限定承認又は相続放棄をしなかつたのが、相続財産が全く存在しないと信じたためであり、かつ、このように信ずるについて相当な理由がある場合には、民法九一五条一項所定の期間は、相続人が相続財産の全部若しくは一部の存在を認識した時又は通常これを認識しうべかりし時から起算するのが相当である。

このように、相続放棄の手続きに関しては、専門家に相談・依頼するほうがメリットが多く、オススメです。

3.弁護士と司法書士のどちらに相談すべきか?両者の違い

では、相続放棄の申述を依頼できる専門家として、弁護士と司法書士がありますが、どちらに相談すべきでしょうか。
ここで、弁護士と司法書士の違いをご説明します。

1)代理権の範囲が違う

弁護士と司法書士では、代理権の範囲が異なります。弁護士であれば完全な裁判代理権がありますが、司法書士の場合には、書類作成の代理権しかありません。
そこで、司法書士に相続放棄の申述手続を依頼した場合、書類の作成はしてくれますが、書類にはすべて本人の署名押印が必要になり、申述手続きは本人申立扱いになります。
また、相続放棄照会書や回答書の送付先も申述人宅になりますし、これらの書類についても作成名義人は申述人本人になります。

この点、弁護士に相続放棄の申述手続きを依頼すると、弁護士には完全な代理権があるので弁護士名で申述をしてくれて、事件は弁護士申立扱いになります。すると、相続放棄照会書や回答書などの書類も弁護士事務所に送られてきて、これらの書類作成も弁護士名でできるので、依頼者であるあなたが対応する必要がなくなります。

このように、相続放棄の手続きは司法書士よりも弁護士に依頼する方がメリットが大きいため、オススメです。

2)費用相場はあまり変わらない

料金については、以前は弁護士のほうが少し高めの相場でしたが、最近はあまり差がなくなってきました。法律相談などの相談料自体を無料にしているところも多数あります。
トータルでみた費用の相場観としては、弁護士も司法書士も、平均的には「5万円前後」、低額なところで「2~3万円代」というところが出てきています。

もっとも、料金設定の仕方は事務所によって大小の違いがあります。完全に書類の代行だけを低額で行い、戸籍の収集等を別料金で行うところ、相続放棄をする人(依頼人)の数に応じて料金が変わるところ、すべてトータルで一括でサポートする事務所など、様々です。
「弁護士だから」「司法書士だから」といって料金が大きく変わるわけではないので、依頼の費用はその事務所が対応する内容と見比べながら考えたほうが無難です。

【弁護士と司法書士に相続放棄を依頼した場合の違い】
弁護士 司法書士
代理権 完全な代理権 書類作成の代理権のみ
申述書作成 すべて弁護士が作成 申述人本人の署名押印が必要
申述手続き 弁護士申立て扱い 申述人本人申立て扱い
書類の受取 弁護士 本人
回答書作成 すべて弁護士が作成 申述人本人の署名押印が必要
報酬(料金) (平均)5万円程度 (低額)2~3万円から

相続放棄は弁護士に相談しよう

今回は、相続放棄の申述手続きを弁護士に依頼すべき理由をご説明しました。
遺産の中に借金がある場合、相続放棄などをする必要がありますが、相続放棄をする場合には弁護士や司法書士などの専門家に依頼することができます。自分でやることも出来ますが、手続きを確実に、手間なく進める上では弁護士に相談するのがおススメです。

相続放棄をしたい方は、ぜひ一度、相続放棄を専門的に取り扱う弁護士に相談しましょう。

相続放棄置換文言

相続放棄を専門とする弁護士がいます

相続放棄手続は自分でも出来ます。しかし、手続きを確実かつスムーズに進め、更に後のトラブルを防止する上では、弁護士に相談して手続するのがオススメです。

弁護士であれば、以下のような相続の悩みも的確にサポートしてくれます。

  • 相続放棄すべきか否か、判断が難しい
  • 相続財産の全体が分からない、調べたい
  • どんな書類を用意すればいいか分からない
  • 親族その他、周りに迷惑をかけたくない

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